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宮田村へ移住をお考えの方へ移住先市町村の話題

update : 2023.08.23

(宮田村の全景、奥には中央アルプス)

宮田村は長野県南部に位置し南アルプスと中央アルプスに抱かれる自然豊かな村です。降雪は少なく非常に晴天率の高い地域で暮らしやすい気候に加え、四季折々の美しい景観も楽しめます。
村の人口は約9000人で面積は54.5㎢。生活半径約2kmのコンパクトな村の中には医療機関や福祉施設、学校が十分配備されており、多様な子育て支援制度もあります。

交通の面では南北に走るJR飯田線と国道153号線、中央自動車道の幹線道路が整備されており、首都圏や中京圏、北信地域へのアクセスも便利です。

近年は移住支援策や子育て環境をはじめとする暮らしやすさが評価され、宝島社発行の田舎暮らしの本が行う「住みたい田舎ベストランキング」で毎回1位〜3位と人気の移住先にもなっています。

今回は、宮田村役場みらい創造課で移住定住支援を担当する保科さんにお話を伺いました。

(移住定住支援を担当する保科さんと村のイメージキャラクター「みやさん」)

はじめに、近年の移住者の傾向をお伺いできますか?

保科さん コロナ禍前と後では少し傾向が変わりました。比較的若い世代や子育て世代が多かったんですが、最近は単身の方やUターンの方も増え年齢層の幅が広がりました。
都会へのアクセスが便利で、高速バスが宮田村から新宿、横浜、立川方面、また名古屋、大阪方面にも出ています。新宿行きの駒ヶ根線は1時間に1本あり3時間45分で行くことができます。停留所は役場の隣にあり、JRの駅もその乗り場から1kmない距離にありますし。

さらに中央道にも新宿行きの飯田線のバス停があり、そちらから来ると3時間30ほどです。両方合わせると新宿行きは30分に1本発着していて、多い時は1日33往復の便があります。

(自然豊かな宮田村、奥には南アルプス)

移住元は関東の割合が多いんですが、最近は関西の方も増えてきました。長野県は長野市や松本市のイメージが強く、今までは電車で名古屋から塩尻を抜けて長野まで行く方が多く、南信州までのアクセスやイメージがつかめていなかった方々が結構いらっしゃったので、伊那谷の市町村も大阪でセミナーをやったりすることで「そんなに南信州まで遠くないんだな」「車でも来られるんだ」と周知することができ、遠くは兵庫、和歌山、奈良、京都、大阪から来る方が少しずつ増えてきました。

『住みたい村ランキング』では1位でしたね

保科さん 宝島社発行の田舎暮らしの本が毎年行っている「住みたい田舎ベストランキング」で2021年は「村」の部門で1位に選ばれました。2022年と2023年は「村」の部門がなくなり「人口1万人未満のまち」の部門で3位の評価をいただきました。村ということでは実質1位ということでした。

「生活する上での便利さ」が評価され、宮田村はコンパクトな村ですので半径2km以内に生活圏が収まっていて、歩いて買い物に行くこともできます。

(総合公園ふれあい広場。
全長70mのジャンボすべり台やローラースケート場、イベント広場もある/
ふれあい広場から南アルプスを望む)

「子育て支援」の充実も評価されています。村長の公約でも「子育て支援日本一」を掲げているんですが、(高校3年生まで)医療費の無料化をはじめ妊娠期から出産、保育園の入園、小学校、中学校、高校と補助的な部分はかなり充実しているのが一つ大きなところです。また学校給食は地元の食材を豊富に使い、自校給食にしていることも売りです。

(子育て支援センター「うめっこらんど」/
小学校の給食の時間に「みやさん」も。食育にもつながる取り組みをおこなっている)

また最近はいろんな働き方ができるようになり、住環境が整備されたことも大きいです。あとは移住者向けの支援策、移住者セミナーも多めに行っている点も良かったようです。

住居探しについてアドバイスはありますか?

保科さん はじめは、いきなり戸建ての購入をお勧めするのではなく、移住者専用の賃貸住宅もありますし、民間の賃貸住宅で暮らしながら戸建て住宅を探されることをお勧めしています。賃貸が埋まっていれば空き家バンクの売り物件を所有者さんに交渉して賃貸でお借りするケ―スもあります。

中古住宅については、空き家バンク物件の需要が多く、掲載するとすぐ成約になる状況です。掲載物件は多くないんですが、逆に探されている方の要望を聞いて、こちらで空き家の所有者さんにあたるようにしています。広さ、間取り、金額を提示いただいて「じゃあ皆さんで探しましょう」と宅建(伊南不動産組合/https://www.inadanifk.com/)の方々にも協力いただいて、情報共有しながら所有者の方にアプローチをしていくようにしています。

早めに決まるケースもありますし半年くらいかかるケースもあります。なかなか見つからず1年お待ちいただいている方もいますが、要望を細かく決められている方はお時間がかかる傾向です。

予算についてはいかがですか?

保科さん 賃貸だと2DKのアパートで5万円、古い戸建てだと5万〜6万円で、新しめの戸建てだと8万5000円が相場です。

売買につきましては、中古住宅だと700万円〜1千万円ほど。1千万円を超える物件は比較的新しいタイプになるかと思います。

探すポイントは、こちらに希望を伝えていただくことでしょうか。小さい村なので空き家バンク以外の不動産店さんが扱う物件も、役場の方で把握していますので。

移住者向けの補助金についてはいかがですか?

保科さん 長野県と共同で支給するものとして「UIJターン就業•創業移住支援事業補助金」がありまして、東京圏(埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)、愛知県または大阪府から移住し、県内で一定の就業または創業をしようとする方が対象です。
テレワークの方も対象ですので、そのケースで利用される方も増えています。
就職の要件がいろいろありますので、当てはまる方はご相談をいただければと思います。
単身世帯は最大60万円、2人以上世帯は最大100万円、子ども加算は去年まで30万円でしたが、今年度から1人100万円になりましたので、お子さんが3人の世帯ですと100万円(夫婦)と300万円(100万円×子ども3人)で計400万円になります。

また子育て世代に特化したファミリー向けの「転入奨励金」として、村外から宮田村に土地を買って家を建てる場合は100万円の補助があります。

他にも、民間の賃貸住宅に入った時の家賃の一部補助、空き家バンク物件の改修補助や片付けの補助などを活用されて移住される方が多いかなと思います。

(中央アルプス山麓エリアにある、黒川に沿った全長1.7kmの「こもれ陽の径」。
美しい緑と、木漏れ日、鳥のさえずりに癒やされる)

移住体験住宅について教えてください

保科さん 短期と長期タイプがあります。短期タイプは1泊(1人1000円、高校生以下無料)から30泊まで可能です。家探しの際や仕事の面接、村のことを知りたいという方もご利用されますし、冬の寒さを体験しにこられた時は石油ストーブの使い方などを覚えていただいたりします。季節を分けて何回か利用される方も多いですね。

(短期の移住体験住宅)

長期タイプは民間の賃貸1部屋を村で借り上げていまして、移住体験住宅として1カ月から3年間利用できますが、埋まっていることが多いのでご相談いただければ別の場所を探すこともできます。家が建つまでの半年間借りた方や今、予約いただいている方は3年間、就農しながら物件が見つかるまで利用する予定です。

移住と婚活を支援する『移住婚』の受け入れ先になられたようですが?

保科さん 地域の方でも未婚率が高くなってきている現状がありますので、結婚支援をすることで、人口率や出生率の増加につながっていけばという思いがあります。

昨年、「銀座NAGANO」で行われた、長野県主催の「移住と婚活」をテーマにした移住相談会に出させていただいて、そのとき相談された方のお話だと、「移住先をまず決めて、そこでどういった生活ができるかというところから結婚につなげていきたい」という声が割と多かったんです。

また、隣の駒ヶ根市さんも「一般社団法人 日本婚活支援協会」が行う、移住と婚活を合わせて支援する「移住婚」の受け入れ先になっていまして、相談件数も多いということで、宮田村も今年の4月からその「移住婚」の受け入れ先になりました。

移住婚の利用についてはどのような流れになりますか?

保科さん まず「日本婚活支援協会」のウェブサイトに登録していただきます。(登録に関する費用は無料)。
お名前や希望条件を入れていただいて、希望の市町村を選んで登録すると受け入れ自治体にメールが来て、その自治体の担当者が直接、希望者と連絡を取るかたちです。

そのときに「婚活につなげますか、地域を知りますか」ということを最初にお聞きします。先に婚活を希望されれば、村の結婚相談支援員をご紹介します。

「移住地として宮田村を知りたい」という方でしたら先に移住セミナー、オンライン相談のご案内をさせていただいています。

現状は、入り口として「移住婚」を希望される方のメッセージも「この地域を知りたい」という内容が多く、「そのあと地域の人とのつながりをどうやったらいいか」というご相談もきていますので、そのときは結婚相談支援員につなげています。

(田園風景と中央アルプス)

結婚までのハードルは高そうですが?

保科さん 長野県主催の「移住と婚活」イベントの参加者や、日本婚活支援協会からくるメールを拝見していても、結婚が前面に出る人は少ない印象です。それよりも「地方暮らしってどんなんだろう」という人が多くて、そういうことをきっかけに独身の方が行動しやすいのが「移住婚」という名前なんだろうと思います。

結婚を求めているのか、自分の安らぎを求めているのか、こういう自然環境の中で暮らしたいのか分かれると思いますが、まずは地方暮らしを知るということがスタートなのかなと思います。

お仕事探しについてはいかがですか?

保科さん ハローワークさんの情報が役場に来ていますのでご案内できますし、就職相談も受けています。
また企業さんとのミーティングがあったときに「こういう方いますよ」とご案内させていただき、逆に企業さんから「こういった方がいればぜひご紹介ください」ということもあります。上伊那広域連合では企業さんを集めてのセミナーを移住者対象に行っています。

移住セミナーについてはいかがですか?

保科さん 県外での移住セミナーは年に10回以上行っていて、宮田村だけではなく他の市町村さんと一緒に開催することが多いです。
東京での会場は、パンフレットなどを置いてあるポスターブースもあるので「ふるさと回帰支援センター」が多いです。

(銀座NAGANOで行われた宮田村の移住セミナー/
ふるさと回帰支援センター内に設置される宮田村のブース)

また、コロナ禍はオンラインでの相談が多かったですが、今後も希望があればお受けしたいと思います。

そして、宮田村に来ていただいて村内を案内する個人オーダー型も受け付けています。村を案内しながら空き家や学校などを案内したり、就職関係で企業さんへ訪問に行ったりもします。

中央、南アルプスが見える地形ですので山登りされる方も多いですし水が豊富にある特徴、そういう自然環境にリフレッシュできるという方が多いです。皆さん、山を眺める暮らし、星を眺める暮らしに憧れている都会の方は多いです。ぜひ一度、宮田村にお越しいただければと思います。

(夏の中央アルプス•千畳敷カール。2万年前、氷河期の氷で削り取られたお椀型の地形)

写真、地図全て:宮田村役場提供

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。


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