写真（南木曽岳を背にする三留野地区）、地図：南木曽町役場提供

南木曽町は長野県の南西部、木曽谷の南端に位置します。面積は215.93km2で、そのうち94％が森林で占められており、うち7割が国有林です。町の中央を流れる木曽川とその支流をはさむ段丘に、与川、北部、三留野、妻籠、蘭、広瀬、田立の7集落が広がり、3900人余りが生活しています。
木曽川沿いには南北にJR中央西線と国道19号が走り、東西には、国道256号が伊那谷に通じています。隣県の岐阜県中津川市までは約22km、県内近隣の木曽町まで約35km、飯田市まで約35kmの距離にあり、古くから伊那谷、木曽谷、東美濃を結ぶ交通の要所でした。

町の移住支援については、空き家バンク、各種補助金、移住ガイドブックの製作、子育て支援、窓口相談のほか、オンライン移住相談も行っています。

今回は、南木曽町役場もっと元気に戦略室の上澤さんにお話を伺いました。

写真：南木曽町役場提供（右から南木曽町役場もっと元気に戦略室の上澤さん、西尾係長、町特産品「なぎそねこ」のゆるキャラ『ぽかにゃん』、吉田さん）

はじめに、移住者の傾向としてどのような方が移住されますか？

上澤さん　移住される方は、20～40代の夫婦や２人以上世帯（子育て世帯）が比較的多い傾向にありますが、地元で働きたい・生まれ育ったふるさとに貢献したいというUターンや、地域おこし協力隊などの制度を活用して移住される単身の方もいます。

どの地域からの移住が多いですか？

上澤さん　相談は愛知県など東海圏が多いです。愛知県ですと車でも電車でも来やすいですし（名古屋市から中央自動車道で約1時間30分、電車・JR中央線特急で約1時間）、「仕事はそのままで、住居は南木曽町で伸び伸び過ごしたい」ということも可能ですので。
また、テレワークができるようになって東京から移住される方もいます。

移住者にとって南木曽町の魅力はどのようなところですか？

上澤さん　自然が豊かなため、季節の移ろいを肌で感じながら暮らすことができます。南木曽町は比較的、夏でも涼しい環境にありますので、避暑を求めてやってくる方もいますし、川遊びも人気があります。また、中山道をハイキングされる観光客や南木曽岳を登山される方もいます。

写真：南木曽町役場提供（川遊び、中山道ハイキング、南木曽岳登山道）

またお祭りや軽トラ市場などの地域の行事や、普段の生活を通して人との交流が盛んですので、アットホームなお付き合いを求めている方におすすめです。

写真：南木曽町役場提供（軽トラ市場）

移住者の声はいかがですか？

上澤さん　移住経験者の方に取材を行い、「移住者の声」として、移住ガイドブックに掲載しているほか、町ホームページ（http://www.town.nagiso.nagano.jp/list/ijyu/voice.html）でも公開していますので、ぜひ、ご覧ください。少しでも南木曽町への移住後の暮らしについてイメージできればと思います。

冬の積雪についてはいかがですか？

上澤さん　南木曽町は大まかに７地区に分かれていまして、中心部の標高の低い三留野地区は国道も通っていますし、そこまで積らないです。

写真：南木曽町役場提供（町中心部の三留野地区）

標高が高い地区になると冬は積雪量が多く（膝丈ほど）なりますので、車の運転に慣れていないと初めのうちは不安という方も多いですし、基本的に車社会になるので運転ができない方は少し不便に感じることもあると思います。
そういう方には中心部の空き家バンクや民間の賃貸住宅をご紹介させていただくこともできます。

南木曽町は長野県の中でも岐阜県よりの南の方なので、何メートルも積ることはないです。ただ冬はスタッドレスタイヤが必須になりますし、ブラックアイスバーンのスリップには気を付けていただいた方がいいです。

空き屋バンクについてはいかがですか？

上澤さん　常時10軒ほどで、令和４年４月１日現在、町の空き家バンク登録物件は９軒（賃貸１・売買８　http://www.town.nagiso.nagano.jp/gennkinamatidukuri/akiyatou_bank/bank_bukken.html）となっています。

町では、積極的に空き家バンクへの物件登録を促進しているほか、令和４年度には空き家所有者への意向調査を実施する予定です。意向調査を踏まえて対象となる空き家所有者に空き家バンクへの登録をすすめていくため、今後、物件登録数としては増えていく見込みです。

空き家利用を検討されている方は、町のホームページをご確認いただくか、役場の移住相談窓口までお問い合わせください。内覧も可能ですし、一度利用登録していただければ、その方のニーズに合った物件が出てきた際はご紹介させていただくということも可能です。

おすすめの空き家バンク物件はありますか？

上澤さん　町の中心部や山に近く比較的閑静な地区などさまざまな物件がありますので、利用者のニーズに合わせて物件を紹介させていただきます。

写真：南木曽町役場提供（三留野地区）

民間のアパートはありますか？

上澤さん　民間の賃貸住宅は、町の中心部の三留野地区に数軒あります。

写真：南木曽町役場提供（三留野地区の南木曽駅前）

移住について、どのような補助金がありますか？

上澤さん　南木曽町UIJターン就業•創業移住支援事業として、東京圏、愛知県、大阪府から転入し、専用マッチングサイト（テレワークも含む）より就職した世帯に対して、単身世帯60万円、2人以上世帯100万円の移住支援金を交付しています。

他にも、空き家利用者には、修繕で発生した費用に対し、上限50万円を補助（補助率2分の1）しているほか、新婚世帯で移住されたご夫婦には、住居費、引越費用、リフォーム費用に対し、上限30万円の補助金を交付しています。

移住前に準備した方がよいことはありますか？

上澤さん　地域バスがありますが、移動手段は主に車となりますので、車の運転に少しでも慣れておくと安心かと思います。

また、移住先（地区）について情報収集したり、事前に何回か訪れたりすることで、町や地域の気候や雰囲気を感じていただき、少しでも不安が解消できればよいですね。まずは観光でもよいので気軽に訪れてみてもよいと思います。

移住されてからでも、イベント・行事などに積極的に参加してみると地域の人と交流できますので、思い切って飛び込んでみることが大事だと思います。初めは緊張するかもしれませんが、南木曽町で暮らしている人たちは温かく優しい人ばかりですので、分からないことがあれば、いろいろと頼ったり相談したりすると親切に教えてくれますよ。

写真：南木曽町役場提供（花馬祭り）

内覧など、町を訪れたときの宿泊先はいかがですか？

上澤さん　大きなホテルもありますし、元地域おこし協力隊の移住者が経営しているゲストハウスもありますので、いろいろな話も聞けると思います。

写真：南木曽町役場提供（元地域おこし協力隊の方が運営されるゲストハウス『結い庵』）

お仕事はどのように探せばよいですか？

上澤さん　南木曽町での仕事は全国のハローワークで探すことができるほか、長野県移住・交流センター（東京都）のハローワーク現地担当者との就職相談ができます。また、オンライン移住相談も行っていますので、仕事を中心に相談を希望されるようでしたら、ハローワークの担当者も交えたオンライン相談も可能です。

町内企業はもちろんですが、郡内や近隣市町村まで通勤されている方や起業された方、コロナ禍によりリモートワークを中心とされている方も増えてきていますので、移住をきっかけにご自身に合った働き方を見つけてもよいと思います。

地図：南木曽町役場提供

子育て支援についてはいかがですか？

上澤さん　妊娠準備期から出産、子育て、教育に対して、祝金や祝品の贈呈、各種補助金交付や健診・予防接種の実施など多くの支援を行っています。

親子が気軽に遊びに来られる「おやこのひろば」、年齢に合わせたサークルなども開催していますので、子どもだけでなくママ同士も交流できます。
また、地元のママたちが有志で開催している「おさがり会」もありますので、足を運んでみるのもおすすめです。

写真：南木曽町役場提供（おさがり会/南木曽会館のキッズスペース）

買い物についてはいかがですか？

上澤さん　町内には2軒のスーパーと1軒のコンビニがあります。町外の大型店は車で30分（岐阜県中津川市まで）〜1時間の位置（県内飯田市まで）にあり、移動販売も定期的に来ています。
現在は、インターネットを利用して通販をされている方もいますので、意外と買い物には困りません。

オンライン相談は行っていますか？

上澤さん　ZOOMによるオンライン相談を平日午前10時～午後4時まで行っています。予約制となりますので、町ホームページの申込フォームからご予約をお願いします。事前に相談内容も教えていただけるとスムーズにご案内できます。

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。