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update : 2022.01.24

写真、アクセス図:塩尻市役所提供

長野県のほぼ中央に位置する塩尻市。北アルプスの山並みを背景に田園風景が広がります。交通面では車で、諏訪湖の対岸にある諏訪市へ約15分(中央自動車道)、松本市街地へは約20分(国道)と、ショッピングやレジャー、温泉など気軽に出かけることができます。

暮らしの面では、伝統的建造物群保存地区や住宅地など多様な住環境があります。家賃は都市部より安価で、空き家バンク制度もあります。移住サポートも充実し、お試し住宅で移住体験をしたり、空き家の住宅リフォーム補助制度を利用して理想の住まいの取得も可能です。

また、「子育てしたくなるまち日本一」を目指し、子育て支援事業を進めています。「子育て応援BOOK」は独自の保育料減免制度や相談窓口、公園マップなど、子どもが生まれる前から18歳までの各種支援サービスをまとめた一冊で、市役所や支所、子育て支援センターなどで配布されています。

今回は、塩尻市役所のオンライン移住相談を取材させていただきました。

写真:塩尻市役所提供(塩尻市役所秘書広報課•荻上さんのオンライン相談)

塩尻市役所移住担当•荻上さん 塩尻市役所秘書広報課の荻上と申します。移住相談を担当させていただいております。どうぞよろしくお願いします。

相談者 よろしくお願いします。

塩尻市役所移住担当 松本市付近で住みたい所を探されていると伺っているんですけど、聞きたいことなど、どんどん質問していただければと思います。

相談者 塩尻駅付近や「えんぱーく」の辺りは行ったことがあるんです。ただ街の感じが分からなかったり、どういったお仕事があるのかとか、いろいろ教えていただければと思います。

塩尻市役所移住担当 まず、塩尻市の状況をご紹介させていただければと思います。今、移住定住応援サイトを画面共有させていただいております。こちら塩尻市役所の5階から松本市方面の西側、いわゆる北アルプス方面を撮った画像になっております。

写真:塩尻市役所提供(塩尻市役所5階からの眺め)

この風景を見ていただきますと、中心市街地は行政施設や商業施設、住宅がこのように密集しております。

塩尻市はコンパクトシティを目指しておりまして塩尻駅、広丘駅の付近に主要な施設や食料•生活必需品のお店などを集中させて人口を集め、暮らしやすい生活を構築していくことを目指して街づくりを進めています。塩尻駅の近くですと、市民の交流の場である市民交流センター「えんぱーく」や市役所があります。

写真:塩尻市役所提供(えんぱーく)

そして、長野県内では車が無いと生活しづらいこともあり、塩尻市では今、新たなオンデマンドバスの実証実験を行なっています。

相談者 「You Tubeでちょっと見ました」

塩尻市役所移住担当 「のるーと塩尻」と言いますが、乗りたいときにアプリや電話で呼べる乗り合いのバスで、高齢者から高校生、大学生にも利用していただいていて、うまくいけば令和4年度中に本格的な運行になります。

写真:塩尻市役所提供(のるーと塩尻)

ですので、都市計画で駅近くに主要施設を置きながら駅から離れた場所ではオンデマンドバスや循環バスを利用していくことを推奨しています。

そして画面共有させていただいているのが塩尻市の移住ガイドです。

https://www.city.shiojiri.lg.jp/uploaded/attachment/13787.pdf
PDF:塩尻市役所提供(塩尻市移住ガイド)

塩尻市は長野県のほぼ中央に位置し、地図でみると細長い市です。北に行くと松本、南に行くと木曽、そして南東に行くと岡谷や諏訪があります。

江戸時代から奈良井宿という宿場町があったので交通の要所としても栄え、現在も東京、名古屋からは特急一本で、約2時半〜3時間で塩尻に来られ、二拠点生活の方も増えています。

車でも近隣の松本市や諏訪市へ20分〜30分と行きやすく、信州まつもと空港へも30分圏内です。ほどよく都会で、ほどよく田舎なまちになっています。

こちらが奈良井宿の街並みです。

写真:塩尻市役所提供(奈良井宿の街並み)

次に画面に映っているのが全国で唯一、駅のホームにブドウ園がある塩尻駅になっております。

写真:塩尻市役所提供(ブドウ園があるJR塩尻駅)

その塩尻駅がある大門地区には「えんぱーく」が建ち、1、2階が図書館に、2階の途中部分から上がフリースペース(無料)と会議室(有料)になります。この無料のフリースペースでは、おじいちゃんやおばあちゃんが囲碁をしたり、その隣の机では高校生が宿題をしていたりと、年齢関係なく集える場所として利用されています。塩尻市の人口は6万7千人弱なのですが、この「えんぱーく」は塩尻市外の方も利用できるので、毎年60万人が利用しています。

写真:塩尻市役所提供(えんぱーく)

次に働き方を考えるときに、いろいろ相談できる施設を紹介します。その一つが画面に映っています、シビック•イノベーション拠点「スナバ」です。3年前に民間業者が建て、公務員が運営しているコワーキングスペースになります。

起業家の方々が集まって自分たちの事業を展開しています。メンバー登録後、月額で利用できますが、仕切りで区切られているスペースではなくてこんなふうにフリースペースになっています。

写真:塩尻市役所提供(「スナバ」のフリースペース)

起業家•フリーランス•独立準備中•大手企業人•学生などさまざまなメンバーが、自身の事業を行ないながら周りの人といろいろな相談やコミュニケーションを取りお互い刺激し合って、ときには新たな事業が生まれたり、いろんな可能性がある場所です。

ほかにも、起業関係のことは商工会議所でもいろいろ相談に乗っていただけると思います。

自分が集中したいときは「えんぱーく」のフリースペースで仕事をして、周りからの助けが欲しいときは「スナバ」で仕事をしたりと使い分けているようです。

そして、どんなお仕事があるのか相談したいときは「えんぱーく」の4階にハローワークがあります。「えんぱーく」と「スナバ」は徒歩5分圏内です。

また、塩尻市UIJターン就業創業支援事業補助金がありますが、こちらは東京圏(埼玉•千葉•東京•神奈川)、愛知県または大阪府から塩尻市内に移住した方で、長野県が選定した企業等に就業した方、または創業支援金の交付決定を受けた方を対象に国、県、市が交付金を支給する制度です。長野県が選定した企業はサイトで公開されていますので、ご参考にこのサイトを見てお仕事を探していただくのもいいかなと思います。
https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/29/3055.html
塩尻市の就業形態はさまざまで、農業の方も兼業農家で会社勤めの方も多いですし、起業される方もいます。

農業で特色を挙げると、高原野菜のレタスは長野県内でも4位の生産量です。ワインブドウの栽培は生産量1位で、ワイナリーに勤めることも特色の一つです。

会社勤めになりますと、塩尻市と諏訪市にプリンター製造の大企業があり、その中で事務系の事業所が塩尻市にありますので、そちらにお勤めされている方も多いです。

また諏訪市、松本市へも近いので、塩尻に住んで松本や諏訪へ働きに行く方もいます。

また伝統産業の木曽漆器がある奈良井宿の中に木曽平沢地区がありますが、木曽漆器の伝統工芸士の集まる地区があり、文化材的建物に住みながら木曽漆器を製作し伝統を残しているという文化があります。その地域には後継者問題もありますが、そこに今、女性の木曽漆器職人も現れてきたんです。古き良き町に新しい風が吹いている状況です。と、こんな感じで一通り説明させていただきました。

相談者 ありがとうございます。住まいについて一つ、伺っていいですか?塩尻と広丘の間は住宅街が広がっている感じですか?

塩尻市役所移住担当 塩尻駅と広丘駅と平行して国道が真ん中に通っているので、国道沿いには住宅地よりスーパー、車の販売店、飲食のチェーン店などのお店が並んでいます。その一つ奥の道に入ると住宅が集まっています。

相談者 その辺の賃貸の物件の相場はいかがですか?松本より安くなりますか?

塩尻市役所移住担当 移住ガイドにも書かせていただいていますが、2DKで約6.8万円です。例えば、駅の近くは塩尻市の中でも相場が高く、塩尻駅と広丘駅は6.8万円くらいで、駅から離れて車通りがある場所だと5000円ほど下がると思います。

PDF:塩尻市役所提供(塩尻市移住ガイド)

新築の最新設備のマンションで10万円以上という部屋もありますが、相場的には7万、8万だと少し高いという感覚で、5万円〜7万円くらいの物件もたくさんあります。

相談者 1DKだといくらぐらいですか?

塩尻市役所移住担当 先程の例に出した2DKの部屋に比べると1万円ちかくは下がります。ある例ですと、2DKの駐車場付きで築20年の5万3000円の賃貸に住んでいる方がいます。20年前は8万円だったそうですが、20年経ち安くなったんですけど、すごくきれいな物件でした。ですので、一人暮らしだと4万円〜6万円で住める物件が多いと思います。

相談者 一人暮らしの賃貸物件はいっぱいありますか?

塩尻市役所移住担当 あります。

相談者 では、そんなに探すのは難しくないですね。

塩尻市役所移住担当 塩尻市内に松本歯科大学があり、学生さんが一人暮らしをしているので一人暮らし向け賃貸物件はいっぱいあります。

相談者 学生さんが多いですか?

塩尻市役所移住担当 塩尻市も空き家が増えていて、家族で家を建てる、中古物件を買う人が主流です。賃貸は一人暮らしが多い印象ですし、戸建て住宅は家族が多いです。
賃貸で家族で住んでいる人は、どこかに家を建てるまでの間という印象です。

相談者 気候はどうですか、雪の量はどれくらいですか?

塩尻市役所移住担当 私は塩尻市に長年住んでおりますけれど、屋根の雪下ろしは一度もしたことがありません。30年前は1メートルほど積るときもあり、今より積雪量の多い地域でした。今は積っても10センチほどでしょうか……。ただ3年〜5年に1回、全国的な寒波の年に、どかっと雪が降り交通網がストップすることもあります。そのときはみんなで雪かきをしますが、例年で考えると雪が多い地域ではありません。

車はスタッドレスタイヤに履き替えます。雪はそれほど降らないのですが、塩尻はとても寒くて最も気温が低い日は氷点下10度くらいまで下がります。2月の初めくらいが特に寒いです。そのため路面が凍ってしまうので、スタッドレスタイヤが必要になります。

冬はこたつとストーブが無いと厳しいです。

逆に夏は近年、全国的にすごく暑いですが、塩尻は年間降水量が少ないので夏の梅雨時期も雨が少なく、涼しいです。

相談者 良かったです。今、住んでいる地域は夏の湿度が高く、洗濯物が乾きづらいので。お仕事は就職情報とか求人は多いですか?

塩尻市役所移住担当 正規社員やパートなど形態を選ばなければある方だと思います。

相談者 塩尻市は振興公社がテレワークの形態でやっていると思うんですけど、けっこう登録ができて、やりたいお仕事が見つかりやすいんですかね?

塩尻市役所移住担当 塩尻市の広報(2021年)11月1日号の特集が振興公社の「KADO」でした。まず、登録してワーカーさんという形になって業務を請け負う働き方です。
登録者が年々増えていて、女性の登録者が多く仕事を受注しています。

ZOOMより(KADOについて)

相談者 お仕事を請け負って「えんぱーく」や「スナバ」、自宅でお仕事ができるという感じでしょうか?

塩尻市役所移住担当 そうです。
全国的にもこの働き方は注目されています。地図で示すと赤丸で「(財)塩尻市振興公社在宅就業支援部門」と表示さている場所で、「えんぱーく」の近くになります。

ZOOMより(KADOの位置)

写真:塩尻市役所提供(KADO)

相談者 業務としてはパソコン作業が多いのでしょうか?

塩尻市役所移住担当 タグ付けなど、パソコン作業が多いようです。

ZOOMより(KADOの募集内容)

相談者 わかりました。ありがとうございます。お試し住宅というのもあるんですか?

塩尻市役所移住担当 長期用と短期用の2棟が同じ敷地内にあります。中はこんな感じです。3LDKとちょっと広めです。

ZOOMより (お試し住宅について)

写真:塩尻市役所提供(お試し住宅)

相談者 空き状況はいかがですか?

塩尻市役所移住担当 移住定住応援サイトの「お試し住宅」のページで確認いただけるようになっております。
http://kousha.shiojiri.com/trial_house/

相談者 これで空き状況を確認して予約するという流れですね。

質問は以上になります。ありがとうございました。もっと聞きたいなという場合は、予約をして市役所に直接うかがう形ですかね。

塩尻市役所移住担当 ぜひお越しいただければ、さらに詳しくご案内をさせていただきます。きょうはありがとうございました。

最後にインタビュアーの方からご感想などお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか?

インタビュアー お疲れ様でした。本日はオンライン相談会に参加されてみていかがでしたか?

相談者 やはり家から離れていますので、なかなか直接行くのは難しいなか、実際にZOOMという形は初めてでしたが、こういった形でお話しができるのは、いいなと思います。離れていても直接、担当の方から詳しくいろんなお話を聞けるのはいいなと思いました。

塩尻市役所移住担当 ありがとうございました。それでは本日はこれで閉めさせていただきます。

インタビュアー 終了後に、改めて塩尻市について2点ほど塩尻市役所•荻上さんにお話をお伺いしました。

写真:塩尻市役所提供(塩尻市役所秘書広報課•荻上さん)

インタビュアー 移住相談は月にどのくらいありますか?

塩尻市役所移住担当 コロナ禍以降は電話相談および対面相談ですと、週に1回程度はあります。

また、塩尻市空き家バンクは、お試し住宅の窓口である「塩尻まち元気カンパニー」という民間業者に委託していて、空き家の相談はとても多く、その件数は年間約300件ほどです。
https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/34/3437.html

インタビュアー “日本一子育てをしたくなるまち”を目指しているということですが?

塩尻市役所移住担当 塩尻市は「子育てしたくなるまち日本一」を目指して、子育て支援事業を進めています。その内容をわかりやすくまとめさせていただいた「子育て応援BOOK」は、独自の保育料減免制度や相談窓口、公園マップ等、子どもが生まれる前から18歳までの各種支援サービスをまとめた一冊で、2年に1度、情報更新して配布しています。デジタルデータでもご覧いただけます。
https://www.scinex.co.jp/wagamachi/loco/20215_kosodate/dl_pc.html

ZOOMより(子育て応援BOOK)

また、そのほかにも移住に関する相談は、塩尻市役所秘書広報課広報シティプロモーション係までご連絡をいただければと思います。

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。


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