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高山村へ移住をお考えの方へ移住先市町村の話題

update : 2021.05.24

(高山村の山田牧場)
(写真、アクセス図:高山村役場提供)

高山村は、長野県北部に位置します。長野市の中心部からおよそ20キロの距離にあり、JR長野駅から電車•バスを利用して約60分、上信越自動車道の須坂長野東インターや小布施スマートインターからは車で約20分のアクセスです。98.56㎢の面積を有し、村域の約85%が森林・原野で占められています。森林地域の多くが上信越高原国立公園に指定され、村全体が自然と人間社会の共生を目指した志賀高原ユネスコエコパークに登録されています。また、「日本で最も美しい村」連合に加盟し、未来に残したい美しい景観を守り続けています。

年間の降水量が少なく昼夜の寒暖差が大きく、西傾斜の地形で日照に恵まれた高山村は、古くから果樹栽培を中心とした農業が盛んで、いち早く環境保全型農業に取り組んできた全国有数の先進地です。中でもリンゴは村を代表する特産物としてブランド化が図られ、市場から高い評価を得ています。

また、オンライン移住・就農相談会を開催したり、令和3年度からは新たに若者住宅建設促進事業助成金制度を創設したりするなど移住促進にも力を入れています。

今回は高山村役場の建設水道課の勝山係長、総務課の七海さん(下写真左)、産業振興課農政係定住(就農)支援員の山岸さん(下写真右)に移住促進への取り組みについてお話を伺いました。

オンライン相談会はどのように行っていますか?

七海さん 月1回程度(1日4回、1回40分程度)、土曜日に開催していまして、役場のHP等で開催日をご確認いただけます。今までの移住相談会ですと、名古屋や首都圏で長野圏域の合同開催が多かったのですが、オンラインですと、より高山村に興味のある方に参加していただいています。

相談会などではどのような相談が多いですか?

山岸さん 高山村の基幹産業が農業ということで、農業を仕事にしたいが初心者でも大丈夫?資金はどのくらい必要?自然豊かな地域で暮らしたい等の相談が多いです。相談者は十人十色でそれぞれご家庭の事情や希望などが異なるため、相手の立場に立って一緒に考え、ご家族全員が納得してから移住していただくように心がけています。本村の農業に興味をお持ちの方には村内での就農体験会を案内しています。

就農体験会はどのように開催されますか?

山岸さん 例年ですと、年に7~8回、年間を通して土日の1泊2日で開催しています。近年は3日から1週間の長期型の体験会も用意しています。実際に本村へ来ていただき、受入れ農家さんの畑でリンゴやブドウの作業体験をしていただきます。農家さんから高山村での農業や暮らしについての話も聞いていただき、参加者からは「直接、農家さんから生の声を聞けて良かった、今までネット等の情報で漠然としていたことが具体的にイメージでき役に立った」など好評でした。「自然豊かな村の雰囲気や景色を知ることができとても良かった。実際に農作業を体験し、農業の厳しさと楽しさを感じることができた」という感想もいただいております。平成29年度以降、就農相談や体験などを経て高山村で就農された方はご家族も含めて十人以上いらっしゃいます。今は新型コロナウィルスの関係で開催を見合わせておりますが、コロナの状況を見ながらやり方を工夫して再開を検討しています。

写真:高山村役場提供(リンゴの農業体験会)

農業体験会ではどのようなことをされますか?

山岸さん 4月~6月はリンゴの摘花・摘果作業、6月~7月はブドウの房切りや袋掛けなどの管理作業、秋にはリンゴやブドウの収穫作業、2月にはリンゴとブドウの剪定作業を行っています。11月には先輩就農者や里親農業者などの体験談をお聞きいただき、交流会も行っています。

写真:高山村役場提供(ブドウの農業体験会)

就農に関して助成金などはありますか?

山岸さん 主な新規就農者支援制度は、研修費助成や就農支援金、農業機械の賃借料や農地を借りる時の助成、Iターン等で移住される方には、家賃が2万5,000円で倉庫付きの村営の新規就農者住宅5棟(現在満室ですが、空きが出れば募集)、外から転入される時の転入経費の助成、住宅修繕費の助成では村外から高山村の空き家を購入してリフォームして住む場合は、対象経費の3分の1以内で限度額100万円までの助成があります。これらの助成対象は村が認定する認定新規就農者等の要件がございますので詳しくはお問合せいただきたいと思います。

農業が盛んということですが特徴的なことはありますか?

山岸さん リンゴ、ブドウ、ワインブドウを三本柱としてやっていますが、その中でも特産品のリンゴに関しては品質や味も市場から高い評価を得ています。また、高山村の標高と気候が、ヨーロッパのワイン産地と似ているということで、近年はワインブドウにも力を入れており高い評価をいただいています。平成23年にはワイン特区の認定を受けており、今まで5軒のワイナリーが誕生しました。

そして、小さなお子様からお年寄りまで安全・安心でおいしい農産物を食べていただくため、資源の循環や減農薬栽培による人と自然にやさしい環境保全型農業に取り組んでいます。具体的には村内の家庭や旅館等から出る生ゴミ、畜産農家の牛ふん、きのこ農家の廃オガ粉を混ぜて発酵させて良質な堆肥をつくり村内の農地に還元しています。今はSDGsが注目されておりますが、本村は昭和57年から資源の循環農業に取り組んでおり、県外からも視察に来られています。

写真:高山村役場提供(リンゴ畑の奥には北信五岳)

他にはどんな相談がありますか?

勝山さん 都会の方には田舎は区、自治会に加入しなくてはいけないということがネックになるケースもあるみたいです。区に入ったら年間の区費を払ったり、入区金を払ったりとかが都会の方には無いようです。区費は神楽をやったり、駅伝大会や子どものクリスマス会に使ったり、消防団の火災活動のお礼に充てられたり、子育ての良い環境をつくったりする目的で徴収しています。必ず参加するということはありませんが、区費は掛かってきます。

子育て環境はいかがですか?

山岸さん 「自然の豊かなところで子育てをしたい」という方が多いです。これまで都会の生活では「朝、子どもが起きる前に仕事に行って帰って来たら夜中で子どもが寝ているため、もう少し家族といる時間を持ちたい」「昼夜を問わずパソコンに向かう仕事を何年もやっているので、四季を感じられる環境の中で人間らしい生活をしたい」「子どもを都会の中ではなく田舎で伸び伸びと育てたい」ということで、最終的に就農にたどり着いた方もいらっしゃいます。都会では満員電車に乗り通勤時間も長く大変でしたが、今は畑へ行くのに5~10分程度、お子さんと過ごす時間も増えて良かったというお話も伺います。「首都圏での生活は便利で経済的にも収入が多く満足だったけど、東日本大震災を機に何が本当に大切かを真剣に考えるようになり田舎に移住して自分たちの時間を大切にしたい」など皆さんそれぞれの背景があります。

写真:高山村役場提供(高山村五大桜の一つ、黒部のエドヒガン桜)

写真:高山村役場提供(高山村の星空)

勝山さん 医療費が18歳までは無料(窓口での自己負担金500円)です。

七海さん ほかにも出産祝金(第1子は3万円•、第2子は5万円、第3子は7万円)などもあります。長野市の中心部からは約20キロで小布施町や須坂市も近いので環境としては良いと思います。

山岸さん お子さんと一緒に村内に移住された親御さんに聞くと「子育て環境が素晴らしく、来て良かった」とおっしゃっていました。
小さいお子さんがいる方は、小さいうちはどうしても病気やケガで病院に行く機会が多いですが、長期の入院でも18歳まで基本的に医療費は無料(窓口での自己負担金500円)です。
大きな病院やスーパーはありませんが、車で10分〜15分くらいで須坂市や小布施町など近隣の病院やスーパーにも行けますので、暮らしやすいという意見もいただいています。あとは小•中学校の給食がおいしいと喜ばれています。
小さい村ならではで、なるべく手作りや地産地消にこだわり、お米や牛乳は村内で作られたものを給食に出しています。給食センターは中学校の隣で小学校からも近いので、出来たての温かい給食を食べられるので評判が良いです。

また、村内には8つの温泉があり、村営の日帰り温泉施設(山田温泉大湯、蕨温泉ふれあいの湯、YOU游ランド)の年間パスポートを利用して日常的に利用される方もいます。温泉好きの方にはおすすめです。

写真:高山村役場提供(山田温泉大湯)

住居はどのように探せばよいですか?

勝山さん 空き家バンク(https://www.vill.takayama.nagano.jp/akiyabank/rental/)か、村営住宅を案内しています。空き家バンクは現在(4月末時点)8軒あります。また、空き家バンクの登録物件を新規転入者が購入する費用の一部を助成(限度額50万円)したり、増改築工事費用の一部を助成(限度額100万円)したりしています。令和3年からは新たに若者住宅建設促進事業助成金制度を創設し、村内外の45歳以下の若者が空き屋バンク以外でも住宅の購入する際の一部(新築は15万円、中古は10万円)や親と同居する場合の増改築費用の一部(50万円)を助成しています。

空き家バンクイメージ図:高山村役場提供

七海さん 環境に優しいクリーンなエネルギーの推進にも力を入れていまして、住宅用エネルギー設備等設置費補助制度を行っています。住宅用太陽光発電システムの補助は以前から行っていますが、令和2年度から住宅用蓄電池システムへの補助も行っています。太陽光パネルの設置につきましては、最大出力1キロワットあたり3万円で限度額15万円の助成をしています。蓄電池は設置費用の10分の1以内(限度額15万)ということで助成をしていまして年々、設置される方が増えています。詳しい補助制度の要件等は問合せいただきたいと思います。

おためし住宅についてはいかがですか?

山岸さん 今はコロナの関係で体験会ができず利用を見合わせていますが、村内への移住を検討されている方の生活体験やお仕事探し、就農体験会の参加や農業研修を受ける方にご利用いただけます。1棟3部屋のシェアハウスが2棟です。里親研修など農業研修を受ける場合は最長1年未満までご利用いただけます。一般的には土日で1泊2日の利用が多いです。

写真:高山村役場提供(おためし住宅)

村内のインターネット環境はいかがですか?

七海さん 村内全域に光ケーブルが整備されていますので、インターネットは快適にお使いいただけます。

また、移住に関しましてはオンライン相談のほか、役場のHPにも電話やメールでの相談窓口もありますので、ご相談いただければと思います。(https://www.vill.takayama.nagano.jp/docs/2418048.html

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。


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