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update : 2025.08.23

長野県駒ヶ根市では、地域の魅力を伝える移住と婚活のイベントが定期的に開かれています。
こうした出会いの場に加え、市と結婚相談所が連携した「移住婚」の受け入れ先にもなっており、地方での暮らしと結婚を同時に支援する取り組みが注目されています。
今回は、実際のイベントの様子、制度の仕組み、そして「移住婚」で結ばれた一組のご夫婦にお話を伺いました。

(駒ヶ根市役所 企画振興課 少子化・人口戦略室•松崎さん)

はじめに、移住者にとって駒ヶ根市の魅力を教えてください

駒ヶ根市役所 企画振興課 少子化・人口戦略室•松崎さん(以下、松崎さん) 長野県の中央より少し南に位置する駒ヶ根市は、ふたつのアルプスに囲まれた自然豊かな場所です。四季折々に変化するアルプスの美しい山並みを眺めながら、ゆったりとした生活をお楽しみいただけます。
市街地から市内のどこに行くにも車で15分以内というコンパクトな街ですが、小中学校、医療機関、スーパーなどがそろっているため不便なく生活できます。

(春の南アルプス/秋の中央アルプス)

移住と婚活の支援もされていますが、これまでどのようなイベントがありましたか?

松崎さん 「ブルーベリー摘み取り体験」や「陶芸体験」、「登山」、「ナイトウォーク」、「文通イベント」など年間を通じてさまざまなイベントがありました。

文通イベントはどのような内容ですか?

松崎さん 駒ヶ根市結婚相談所のイベントで、申し込みした方同士で文通を行います。申し込みされた後に、結婚相談所で文通相手をマッチングいたします。その後、約4カ月間の文通がスタート。文通は結婚相談所を通して行うため、相手に住所などの個人情報を知られることはありません。文通後、直接連絡を取ってみたいなと思ったら、結婚相談所でマッチングをサポートします。

5月のおさんぽイベントはどのような内容でしたか?

松崎さん このような流れで行われました。

10:30
・集合 自己紹介
・お散歩スタート
12:00 ランチ
13:30
・移住チームはアパート内見
・地元チームはプレゼンの準備
15:00 地元チームのプレゼン

 

午前中は駒ヶ根高原をウオーキング。ウオーキング中にグループでクイズも行いました。

(イベント会場の駒ヶ根高原駒ヶ池周辺)

(ウオーキングの途中で立ち寄った光前寺)

お昼は地元カフェのおいしいサンドイッチとコーヒーをいただきながら交流。参加費は昼食代1,000円のみです。

(駒ヶ根高原でランチ)

午後は移住チームと地元チームに分かれて行動。移住チームは市内をぐるっと巡りながら、アパートも内見しました。空いている時間に移住チームは、移住相談も受けました。

(不動産店の方から物件の情報を聞く参加者)

地元チームは駒ヶ根の魅力や、駒ヶ根にあったらいいなと思うものを深掘りしました。最後は両チームが合流し、地元チームが話し合った内容をプレゼンし交流を深めました。

(地元チームは駒ヶ根の魅力を深掘り)

イベント終了後に参加者に感想を伺いました。

■東京から(女性)

参加されたきっかけは?

マッチングだけでなく、駒ヶ根のことが知れるといいなと思って参加しました。都会の参加者の多いマッチングイベント(10秒ごとに参加者が回転するようなイベント)が大規模すぎて、もっと個別にトークしたかったと思い参加しました。

参加してみて?

もっとかしこまった会かな?と思って参加したら、そんなこともなく楽しかった。いろいろな人と楽しくお話しすることができました。
移住とパートナー探しが一度にできるので、自分が望んでいた組み合わせのイベントでした。
物件(アパート)も見られたし、そこに不動産店の方もいたので心強かったです。スタッフだけではなく地元からの参加者に、地元の話が聞けたのも良かったし、参考になりました。

■愛知から(女性)

参加されたきっかけは?

地元のコアな情報が知れるといいなと思って参加しました。

参加してみて?

参加するにあたり、宿泊補助があったのが大きかったです。イベントに参加しようか迷っていたが、宿泊補助が背中を押してくれた。
宿泊したことでフリータイムができて、市内を自由に見て回ることができました。
移住希望者だけでなく、地元の人もいたので地元のリアルな声が聞けて良かったです。

■千葉から (男性)

参加されたきっかけは?

地元の人が半数いると聞いて、地元のリアルな話を聞くことができるかなと思って参加しました。

参加してみて?

個人だと物件はなかなか見られないので、マッチングだけでなく移住を含めたイベントというのが良かった。
午前中の自然の中で交流も良かったです。ハイキングや山登りなどをやりながらだと、参加者とも話しやすくなると思う。
イベントがガチガチに固くなく、ゆるめの雰囲気のイベントなのも良かった。緊張することなく参加できました。

2025年9月以降に予定されているイベントはありますか?

松崎さん 9月以降は、多肉植物の寄せ植え交流会、陶芸イベント3回で製作、釉薬付け、交流会&マッチングをするイベント、夜カフェ(食事しながらの交流会)、ごいち(仲間づくり交流会)などを予定しています。
また、陶芸カフェ(11~12月)や駒ヶ根夜カフェ、星空ツアーに週末パフェ会、コーヒーワークショップなども予定しています。

(イベント情報→http://kekkon.city.komagane.nagano.jp/index.php?f=&ci=17966#

「移住婚」の受け入れもされていますが、どのような取り組みですか?

松崎さん 「移住婚」とは、地方に移住する際に、そこで結婚相手を見つけ、結婚してその地域で生活するスタイルのことです。都市部から地方への移住を希望する独身者を対象に、結婚相手と移住先を同時に見つけるサポートをしています。

「移住婚」はどのような方が利用されていますか?

松崎さん 年代や性別もさまざまな方が利用され、近年は若い女性の登録が増えていて、男性14名、女性30名の合計44名の方々が登録されています。(2025年7月1日現在)

申し込みから利用までの流れを教えてください

松崎さん 申し込みは、一般社団法人 日本婚活支援協会さまのWebサイトから応募登録すると、各自治体へ連絡があり(駒ヶ根市では、「縁結びさわやか相談室」へ)、以下の流れで活動していただくことになります。

(縁結びさわやか相談室の相談員)

■移住婚の流れ

  1.  一般社団法人 日本婚活支援協会さまのWebサイトへ応募登録
  2.  一般社団法人 日本婚活支援協会さまから「縁結びさわやか相談室」へメールにて申し込み者のご紹介
  3.  「縁結びさわやか相談室」からメールにて本登録のお願いと相談所のご案内
  4.  本登録
  5.  Zoomにて相談員と面談、移住についてのご希望や出会いたいお相手の条件等確認
  6.  お相手探し
  7.  Zoomにて1~2時間程度のお見合い
  8.  お互いに良ければ連絡先交換(数回のZoomお見合いも対応可能)
  9.  交際中も移住や就労、婚活についての相談に対応

登録や利用に費用はかかりますか?

松崎さん 「移住婚」の申し込みや市の結婚相談所への登録に費用は発生しません。
ただ、出会い支援イベントなどに参加する際に参加料がかかる場合があります。

これまでサポートをされてきて、どのような方が成約されていますか?

松崎さん 地元に住む男性と、関東に住む女性が成婚された事例があります。

「移住婚」を成功させるためのアドバイスをお願いします

松崎さん Zoomお見合いをやったことがなかったり、県外の方との交際にピンとこなかったりする方も多いと思いますが、柔軟に考えていただいて「そういう出会いもあるのかな」とチャレンジしてもらうことが大事だなと思います。

■写真、地図:全て駒ヶ根市役所提供

 

こうした市の支援体制を活用し、実際に「移住婚」で結ばれたご夫妻がいらっしゃいます。今回は、移住と結婚を同時にかなえた吉澤さまご夫妻にお話を伺いました。

(吉澤さまご夫妻)

駒ヶ根結婚相談所に登録したきっかけを教えてください

ご主人 登録のきっかけは駒ヶ根市の結婚相談所でやっていた文通イベントです。その文通イベントは相談所の方を通じて、お題に沿って手紙を交換する形でやりとりしていました。そのイベントではうまくいかなかったのですが、「移住婚というのもやっているよ」と教えていただいて妻と出会いました。

奥さま 当時、関東の方で1人暮らしをしていたのですが、仕事や暮らしにどこか違和感を感じていて。ざっくり長野県のどこかに移住したいなとネットで調べていたときに「移住婚」というのがあることを知りました。移住できて結婚もできたらいいなと思って「移住婚」に登録しました。

登録の手続きは面倒ではなかったですか?

奥さま そんなに難しいことはなかったです。大学でパソコン操作に慣れていたので簡単でした。

移住先として希望地域は?

奥さま 長野県内のどこかを探していて、でも長野県も広いので雪が降りすぎないところがよかったです。あと地元が関東なのであまり北信の方に行き過ぎたりすると、ちょっと地元に帰りづらいかなと。で、主人と出会って、伊那市に落ち着きました。

登録に駒ヶ根市を選んだ理由は?

奥さま 駒ヶ根市の他に2カ所登録していましたが、駒ヶ根市の方が一番話しやすかったので、そのまま登録した感じになります。登録しても先に進めるかは、その担当者さんとの相性によるところが大きいかもしれません。

お相手と初めて会うまでは、どのような流れでしたか?

ご主人 相談所の方から「こんな子がいるけどどう?」と妻のプロフィールを見せてもらいました。会ってみたいと思ったので相談所の方から妻へ連絡してもらってZoomをセッティングしてもらいました。

Zoomお見合いの様子を教えてください

奥さま 私は関東の住まいからZoomに入って、主人は結婚相談所から担当者の方と一緒に入りました。最初は相談所の方が間に入って話しやすい流れをつくってくれて、その後は途中で抜けていただいて、1時間くらい主人と話をしました。その日はフワフワっとした会話で終わりました。

相手に惹かれた点は?

ご主人 話していて自然な感じで、違和感がなくて話しやすかったところです。

奥さま 空気感がすごく似ているな、という感じが良かったです。

交際の進み方を教えてください

奥さま 2、3カ月で3回くらいZoomして、お互いLINEの交換を希望したので、そこからは2人でやり取りして、東京で直接会いました。
それから、2023年の夏に関東から主人の地元の伊那に移住して、賃貸で主人と同棲しました。

賃貸物件はすぐ決まりましたか?

ご主人 夏場だったので不動産店は繁忙期ではなく、妻の仕事が休みの日に来てもらって2日で見つかりました。

「移住婚」のアドバイスをお願いします

ご主人 相性もあると思いますし、お相手の方が移住して来るかどうかということも重要です。移住先は1度、直接、街や雰囲気を見たほうがいいと思いますね。

奥さま もし、お相手と相性が悪かったときの場合を考えて、帰れる場所を考えておくのは大事かなと思います。私は全く知り合いがいない状態でこっちに来たので、何かあったら、地元に帰ることを想定していました。

ご主人 あと仕事をどうするかも大事ですよね。

奥さまは、お仕事をされていますか?

奥さま 同棲してからハローワークで探して、伊那市の食品メーカーに勤めています。仕事は選ばなければ、いっぱいあると思います。

最後に、「移住婚」をされてみて、いかがでしたか?

奥さま すごく良かったなと思います。1人暮らしのときは社会人として今後の長い人生を考えたときに、いろいろ悩みました。自然の近くで住みたいというのと、信頼できる人と住みたいというのがあって、それをかなえられたのが「移住婚」だったので、とても良かったです。

■写真3枚:吉澤さま提供

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。


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