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南箕輪村へ移住をお考えの方へ移住先市町村の話題

update : 2024.05.22

(南箕輪村)

人口約1万6000人の南箕輪村は、西に中央アルプス(経ヶ岳ほか)、東に南アルプスを望み、伊那谷と呼ばれる盆地の中心に位置しています。中央自動車道・伊那ICが近く、近隣市町村にショッピングができる商業施設が数多くあるなど、ベッドタウンとしての側面もあり、トータル的に住みやすい村です。

保育園から小・中・高校・短大・大学・大学院まである村として教育機関が充実しており、高校・大学・大学院は農業系で専門的に学ぶことができます。

仕事面では活力あふれる農業地帯が広がる一方、精密機械工業が盛んな地域のため村内や近隣市町村に働く場所が多いです。近年は働きたい女性への支援も行っていて、育児からの復職を希望する女性などと地元企業をマッチングする事業にも力をいれています。

ここ数年は800人程度の転入が続いていて、このうち200人前後は県外からで、中でも子育て世代の移住者が目立ちます。子どもの数も増え高齢化率は県内でもっとも低い23.6%、人口増加に応じ、保育園・学校などの整備を進め保育園の待機児童はゼロです。
子育て支援の拠点である「南箕輪村こども館」をはじめ、万全の子育て環境で子育てライフをサポートしています。

今回は南箕輪村役場の松澤さんにお話を伺いました。

(南箕輪村のゆるキャラ「まっくん」。まつぼっくりがモチーフ)

はじめに、近年の移住者の傾向をお伺いできますか?

松澤さん 主に近隣から子育て世帯の移住が多いですが、県外の方ですと主に関東圏、続いて中京圏、最近は関西圏からの移住も増えています。また、シニア層の方からのお問い合わせも増えています。

南箕輪村が移住者に人気の理由を教えてください

松澤さん 伊那盆地の中心に位置しているので、近隣のさまざまな場所にアクセスがよく、中央道の伊那インターがあることもあり、首都圏へのアクセスも非常に良好なことがあげられます。
さらに、土地の価格は、周辺市町村と比べ平均で1万円ほど安く、住宅が新築しやすいからではないでしょうか。
また、20年前から力を入れてきた子育て支援によって移住者が増え、結果、地域として移住者を受け入れる体制が根付いていることも理由の1つだと思います。

(大芝高原の桜と南アルプス)

実際に移住された方のお声はいかがですか?

松澤さん 最初は、お子さんの学校生活などの不安があったようですが、地域の移住者への対応に驚いたという声がありました。実際に来てみると、子どもに対しても親に対しても受け入れてくれていることが、心の安定につながっており、外から来たという緊張感があまり必要なかったとおっしゃっていました。

(第5次総合計画策定のためのアンケート調査結果より。令和元年11月実施)

(中央アルプスの北端にある経ヶ岳の夏と冬。5月に行われる経ヶ岳バーティカルリミット(スカイランニングレース)には多くの参加者が訪れる)

子育て世帯にも人気とのことですが、その要因はいかがですか?

松澤さん まずは、自然が豊かでのびのびと過ごせる環境だからではないでしょうか。
そして、移住者が多い環境なので、「こども館」や「すくすくはうす」などの子育て支援センターや保育園などでの受け入れが、臨機応変にできる体制に整っているからだと思います。

(南箕輪村こども館)

また、近隣市町村と同様に0~18歳までの医療費の窓口負担が無料だったり、保育園から使用済みおむつの持ち帰りをなくしたりと、保護者の方の負担も減らすように努めています。2023年度からは、保育園、小中学校の欠席連絡やおたよりがオンライン化されて、保護者だけでなく教職員の負担がかなり軽減されていると好評です。

(子育て支援センター「すくすくはうす」)

現在、保育園の待機児童についてはいかがですか?

松澤さん 基本的に待機児童はいません。ただし、3歳未満児の年度途中の受け入れについては、保育士の確保が困難な場合が多いので、早めにご相談いただきたいです。

(南箕輪村南原保育園。
ペレットボイラーを利用した床暖房が備えられ、屋根にはソーラーパネルが設置されている)

子育て支援策の補助金はどのような制度がありますか?

松澤さん  0~18歳までの子ども医療費の窓口負担が無料、教育ローンの利子・保証金への補助、ファミリーサポートセンター料金の補助、小中学校の給食費の補助、未就学児の病児・病後児保育料が無料などです。詳しくはお問い合わせください。

移住支援金の制度は用意されていないとのことですが、理由を教えてください

松澤さん 県と共同で、 東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、愛知県、大阪府から移住し、 就業または創業した方に移住支援金を支給していますが、住宅の新築補助や家賃補助などの移住支援はしていません。それは、移住をしてきてもらうためだけにお金を渡すのではなく、今暮らしている方々に手厚く投資する政策を取っているからです。そうすることで移住者が増え、保育園や学校施設の不足で改築が必要になったときでも、施設整備などに速やかに対応することができます。実際に児童生徒が増え、超過した給食の提供数を補うために、新たに小中学校用の給食センターを建設しました。
また、住宅が増えた複数の地区には近く公園を建設する予定です。

(地元食材を取り入れた小学校の給食)

家探しのサポートはありますか?

松澤さん 伊那市・箕輪町・南箕輪村が共同で地元の不動産組合と協定を結び「伊那地域空き家バンク」を運営しています。これは、売りたい、貸したい物件を空き家バンクへ登録していただき、買いたい、借りたい人へ情報を提供するものです。

空き家バンクはどのような物件が人気ですか?

松澤さん 戸建ての賃貸物件は人気で、件数が少ないこともありすぐに借り手が見つかります。また、小中学校や保育園に近い物件が人気です。

空き家バンクに関わる補助金はどのようなものがありますか?

松澤さん 1つ目は、改修した際の補助金です。村内業者が行った100万円以上の工事に最大50万円が支給されます。
2つ目は不用品等の片付け補助金です。こちらは村内業者が行った場合、最大10万円が支給されます。
また、所有者の方には、売買や賃貸の契約が成立した際に「成約奨励金」が3万円支給されます。

お試し住宅について教えてください

松澤さん 大芝高原内のコテージが移住のお試し住宅となっています。国産スギを積み上げた温かみのあるおしゃれな室内、広々としたウッドデッキでのんびり森林浴を満喫できます。Wi-Fi環境も整い、ワーケーションにもぴったりです。また、日帰り温泉施設「大芝の湯」も徒歩1分でご利用いただけます。

県外の方が移住相談を受けていただいた場合、最大2泊3日、大人が1泊2,000円で宿泊できます。(小学生以下は無料。暖房費1日1,500円)

(お試し住宅。定員:最大10人 設備:ベッド10台、エアコン(2Fのみ)、暖房、カウンターキッチン、冷蔵庫、電子レンジ、シャワートイレ、バスルーム、洗面台、公共Wi-Fi環境、モニター用テレビ(現在通常番組は見られません)

移住相談の体制や移住セミナー、イベントはどのようなものがありますか?

松澤さん 移住相談は、役場地域づくり推進課で対面・電話・メールなど随時受け付けています。オンラインの移住相談も可能です。また、移住セミナーは東京、大阪、名古屋でそれぞれ年1~2回、他の市町村との合同で開催しています。

(移住セミナーの様子)

最後に、南箕輪村に移住を検討されている方にアドバイスをお願いします

松澤さん まずは、先ほどご紹介した「お試し住宅」をご利用いただき、南箕輪村でどのような暮らし方がしたいか具体的にイメージをしていただくといいと思います。「どっぷり田舎暮らし」がしたいのか、南箕輪村のように「ほどよく便利な田舎暮らし」がしたいのかで、住む地域が決まってくると思います。

(南箕輪村沢尻、恩徳寺のイチョウ)

■写真、地図、グラフ、アンケート全て:南箕輪村役場提供

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。


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