上松町へ移住をお考えの方へ移住先市町村の話題
update : 2023.03.22
(上松町中心部)
上松町は、長野県木曽郡のほぼ中央に位置する木曽川上流の水源の里にあり、人口約4000人、全面積の94%が森林で占められており、「木曽ヒノキ」などの森林資源と森林文化が漂う山間の町です。 森林浴発祥の地としても知られる赤沢自然休養林を有し、伊勢神宮の御神木を切り出してきた町としても知られ、緑豊かな自然が身近にあります。
移住定住支援については、空き家バンクや各種補助金、子育て、移住イベントやセミナー開催など、さまざまなサポートがあります。
今回は上松町企画財政課で移住定住支援を担当する浅井さんにお話を伺いました。
(移住定住支援を担当する浅井さんと町のマスコットキャラクター「美林(びりん)」ちゃん)
はじめに、移住者の傾向などはありますでしょうか?
浅井さん 近年、コロナ禍の影響もあってか、お問い合わせ・実際の移住ともに増えてきていまして、老若男女、さまざまな世代の方にお越しいただいています。お問い合せの部分では40~50代のご夫婦からのものが少し多いのかなという印象です。
移住元の地域もさまざまですが、強いて挙げるなら東京圏、名古屋圏の方が多いのかなと思います。
移住者にとって上松町の魅力はどのようなところでしょうか?
浅井さん 皆さん、おっしゃっていただいているのは「自然」の部分ですね。20代、30代の若い世代の方は子育て環境というところで「上松町を選びました」とおっしゃっていただいています。
(日本の森林浴発祥の地、
国内有数の森林セラピー基地として知られる秋の赤沢自然休養林の森林鉄道)
よくお聞きするのは、「都会にはない山とか木とか、家から出たらそれがある環境がいい」とおっしゃっていただく方も多いですし、昨年ですけどUターンで上松町に戻ってこられた方は「子育てをするなら都会じゃなくて山とか川とか自然があるところがよかった」とおっしゃっていました。
(赤沢自然休養林/保育園や小学校の遠足でも行く、地元で親しまれている天狗山公園)
上松町は、古くから良質な木材、特に木曽ヒノキを算出する地域として知られ「木の町」、それがアイデンティティーの一つだと思います。
正島区という地域は製材の会社などが密集した地域でして、その近辺に行きますと木の香りがすごくします。
また庁舎が2年前に移転、新築したんですけど「木の町、上松町」ということもありまして、木曽ヒノキを使った庁舎になっています。来庁される方からも「すごく、木の良い香りがする」とおっしゃっていただきます。
(樹齢300年以上の天然ヒノキが林立、さまざまな散策コースを楽しめる赤沢自然休養林)
移住者の声など、お聞きになることはありますでしょうか?
浅井さん よくお聞きするのは「いい人が多い」というお話です。地域おこし協力隊として移住された方々も3年の任期の間「地域のおじいちゃんおばあちゃんによく助けてもらった、いろいろ教えてもらった、お野菜をお裾分けしてもらった」とおっしゃっていますね。ある方は畑を始めたんですけど、「作物の作り方を一から十まで教えてもらった」と言っていました。
住まいについてはいかがですか?
浅井さん 住宅のことに関して「町の中心部ではなくて山間部がいいよ」という方が多い気がします。やはり、もっと「自然を感じたい」ということでした。30代、40代の方は「静かなところがいい」と言って相談に来られる方が多いですね。
(高倉区から望む、中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳)
町営住宅につきましては現在、空きがない状況です。空き家バンク登録物件は、だいたい10軒ほどですが今後、空き家調査も行いますので登録物件は少しずつ増えていくと思います。
(https://www.town.agematsu.nagano.jp/kurashi/sumai_seikatsu/tochi/akiya.html)
賃貸住宅の需要が非常に高くて、空き家バンクで公開するとすぐに成約するような状況です。賃貸は一軒家が多いですが相場は3万〜4万円くらいで、売買物件は平均300万〜400万円くらいです。売買物件で高い物件ですと1千万円の物件もありますし、安いものだと100万円の物件もあります。たまに「ほぼ無料でいいよ」といった物件も出ますが、そういう物件も公開するとすぐ成約になります。
(上松町空き家バンク物件(売買))
希望される物件の傾向としては「古民家に憧れています」という方と「全部、水洗化等もされていてリフォームなしですぐ入れる物件がいいです」という方と、半々くらいですかね。
空き家バンクについて補助金はありますでしょうか?
浅井さん 空き家の改修補助金については補助率が2分の1で上限は50万円です。ですので、100万円以上の改修工事をした場合、上限の50万円を受け取ることができます。
壁紙やキッチン、浴槽、トイレや洗面所、電気、ガス等の屋内設備の修繕に対して補助されます。また外装、屋根などの塗装も対象になります。ただしエアコンや家具等の購入費は対象外になります。
その他に移住者が利用できる補助金はありますでしょうか?
浅井さん 上松町UIJターン就業•創業移住支援事業補助金がありまして、東京圏、愛知県、大阪府から転入し、長野県内の企業に就職した世帯に対して、単身世帯60万円、2人以上世帯100万円(18歳未満のお子さんと移住された場合は1人につき100万円の加算あり)の移住支援金を交付しています。非常に細かな条件がありますので転入の前にぜひ一度お問い合せ下さい。
町独自のものですと「ウェルカム祝い金」がありまして、中学3年生以下のお子さんを連れて上松町に転入された世帯に向けて町で使える商品券を支給しています。お子さん1人ですと3万円、お子さん2人ですと5万円、3人以上ですと7万円です。
また、新婚世帯に対しては、「結婚祝金」を支給しており、現金20万円と町内で使える商品券5万円分をお送りしています。
お仕事はどのように探せばよいでしょうか?
浅井さん 基本的にはハローワークを紹介させていただいております。町内のお仕事環境はそれほど多くはないんですが、自動車の部品製造の会社、高齢者福祉の会社等があります。
お問い合わせでは「林業関係のお仕事はありますか」とよくお尋ねいただきます。町内には伐採関係や製材関係など会社はいくつかあり、大きいところですと近隣町村になるんですが、森林組合がありますので情報の提供をさせていただいております。
またお仕事環境でいいますと、町外に出ていかれる方が多いです。木曽郡内の町村でお仕事される方もいますし、車でしたら北の方に塩尻市、東は伊那市、南は岐阜県中津川市までそれぞれ1時間の距離ですので通われている方もいらっしゃいます。
子育て支援についてはいかがですか?
浅井さん 町内に保育園は1園あるんですが「保育園入れそうですか」というのはよく聞かれます。現状、待機児童は0で、未満児も要件を満たした1歳以上のお子さんであれば、基本的に入園可能です。
(上松保育園)
小学校につきましては、授業が終わったあとに保護者の方の仕事が終わるまで預けられる「放課後子ども教室」があります。また、上松町公民館には図書室やカフェが中にあり、親子連れや友達同士等、多くの方にご利用いただいております。
(上松町公民館図書室/café I will)
子育て支援につきましては、お子さんが生まれる前から義務教育の終了後まで幅広く支援するさまざまな補助制度が充実しています。最近では、小中学校の給食費無償化や高校の通学費補助(年間4万5千円まで)等が導入されています。
普段の買い物についてはいかがですか?
浅井さん JR中央線の上松駅の前に商店街があり、スーパーが3つ、用品店、酒屋さん、本屋さん、お肉屋さん、居酒屋さんと一通りそろっています。20代、30代の方は隣町の木曽町(車で10分〜15分)や大桑村(10分〜15分)にある大きなスーパーに食材を買いにいかれる方が多いように思います。
(JR中央本線(名古屋—塩尻)上松駅の駅前商店街)
移住後、知り合いをつくる機会はありますか?
浅井さん 移住してくるとどこかの地区に入るんですが、地区のイベント事がいろいろありますので、そこで知り合いができる方もいますし、男性ですと消防団に入るとあっという間に交流の輪が広がります。また教育委員会で企画する公民館講座、例えばお料理講座ですとか、そば打ち体験ですとかいろいろありますので、そこに参加して知り合いができるケースもあるかと思います。
(そば打ち体験の公民館講座)
最後に、移住希望者が参加できるイベントについてはいかがですか?
浅井さん 長野県が主催する移住セミナーや木曽郡内の6町村合同で開催するイベントなどがあります。2022年12月には名古屋で開催された長野県主催の移住セミナー「Nagano Local Match 移住×婚活」に参加しました。長野県への移住の魅力や婚活情報など、長野に移住されたゲストを交えたトーク形式で行い、参加自治体との交流会などもありました。
また今年1月には木曽広域連携結婚支援事業「恋活!ゲレコン」が木祖村のやぶはら高原スキー場で開催され、スキーやスノボを楽しみながらの交流会が行われました。
(やぶはら高原スキー場で開催されたゲレコン。
参加女性にボード装着のレクチャーをする男性)
また、町独自で東京や名古屋などでブースを設け移住相談会を行うこともあります。日程等は当町のHPの中の「上松町に暮らす」の「移住相談イベントについて」に記載されていますので、ぜひご参加いただければと思います。
(https://www.town.agematsu.nagano.jp/kurashi/sumai_seikatsu/iju/agematsu_immigration.html)
写真•地図全て:上松町役場提供
※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。
信州に住もう 月別アーカイブ
- 2024年10月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年5月
- 2024年3月
- 2024年1月
- 2023年11月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年3月
- 2023年1月
- 2022年11月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年11月
- 2021年9月
- 2021年7月
- 2021年5月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年11月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年6月
- 2020年3月
- 2020年1月
- 2019年11月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年1月
- 2017年10月
- 2017年8月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2016年12月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年9月