千曲市へ移住をお考えの方へ移住先市町村の話題
update : 2025.12.23
(国の名勝にも指定される姨捨の棚田)

東京から新幹線でおよそ2時間。
千曲川の流れと温泉の湯けむりが迎えてくれるまち――長野県千曲市。
ほどよい距離感と心地よい暮らしやすさが共存するこのまちは、首都圏からの移住地として近年、注目を集めています。
9年連続で転入者が転出者を上回り「社会増加」が続くなど、その人気は数字にも表れています。
“無理をせずに新しい暮らしを始められるまち”として、千曲を選ぶ人が増えているのです。
土地価格は令和7年地価調査による住宅地の平均価格が1平方メートルあたり2万8,500円と、周辺の市よりも抑えめ。
“背伸びしない移住”が叶う、現実的な安心感も魅力のひとつです。
市街地にはスーパーや医療機関、公園がそろい、戸倉上山田温泉や姨捨の棚田、あんずの里など、自然と文化が息づく環境が広がっています。
暮らしの中に“ほっとできる時間”がある――そんなまちが、千曲です。
今回は、千曲市 経済部ふるさと振興課 移住定住推進係の高橋さんにお話を伺いました。

(千曲市のゆるキャラ「あん姫」と千曲市 経済部ふるさと振興課 移住定住推進係の高橋さん)
はじめに、近年の移住者の傾向をお伺いできますか?
高橋さん 千曲市への移住者は、まず長野市や上田市など近隣からの転入が多いです。
職場や子育て環境を変えずに、より自然を感じられる住環境を選ぶ方が増えています。
一方で、県外からは首都圏出身の方が中心。新幹線や高速道路で東京方面へもアクセスしやすく、立地の良さが大きな魅力になっていると感じます。
年代は20〜30代の子育て世代から、定年後に温泉のあるまちでゆったり暮らしたいシニア層まで幅広く、単身・家族ともにバランスよく移住されています。
「自分のペースで、無理なく暮らしを選べるまち」――それが千曲市の特徴です。
近年は何年くらい人口の社会増が続いていますか?
高橋さん 千曲市では直近9年連続で転入者が転出者を上回っています。首都圏とのアクセスの良さ、住宅コストの低さ、そして子育てや医療環境の整備など、複合的な“暮らしやすさ”が要因だと考えています。
「便利さと安心のバランスがいい」――それが選ばれる理由ですね。
県内平均より安い土地価格で、家賃も抑えられていると聞きましたが?
高橋さん 千曲市の住宅地平均価格は、令和7年地価調査で1平方メートルあたり2万8,500円。
民間賃貸では1LDKで月5万円前後、2LDKで5.5〜6万円ほどが目安です。
家計に無理なく、庭付きの住まいも夢ではありません。
“心の余白”をもてる住まいを選べることも、移住者の背中を押しているようです。

令和7年地価調査「市町村別•用途別平均価格及び変動率一覧表(長野県発表)をもとに作成」
移住者にとって千曲市の魅力はどのようなところですか?
高橋さん 東京から新幹線で約2時間。高速道路のICへも20〜30分ほどでアクセスでき、県内外への移動がしやすい環境です。市内には医療機関やスーパー、公園などが整い、自然と都市機能のバランスがとれています。
また、地域資源の豊かさも魅力です。戸倉上山田温泉には7つの外湯と2つの無料の足湯があり、早朝から深夜まで天然温泉を楽しめます。住民同士が湯船で顔を合わせ、世間話を交わす――温泉が日常の交流の場になっています。

(カラコロの足湯)
春には淡いピンクに染まる「あんずの里」、四季の風景が映る「姨捨の棚田」。観光名所が“日常の延長線”にある、そんな贅沢さがこのまちの魅力です。

(一目十万本の「あんずの里」(森・倉科地区))
千曲市の気候について教えてください
高橋さん 平野部に位置しており、雪が少なく暮らしやすい気候です。
年間平均気温はおよそ12℃。夏は35℃前後、冬は−5℃ほどまで冷え込むこともありますが、
降水量が少なく晴天の日が多いのが特徴です。
“信州らしい四季”を感じながらも、穏やかに過ごせるのが千曲のいいところですね。


(夏の「姨捨の棚田」(更級地区)/冬の千曲市(市役所からの風景))
実際に移住された方のお声はいかがですか?
高橋さん 市が実施する移住体験ツアーやアンケートでは、「自然が身近で子どもがのびのび育つ」「地域の人が温かい」といった声をよくいただきます。
暮らしの中で自然との距離が近く、人のつながりも温かい――そんな実感をもって暮らしている方が多いようです。
“人のやさしさが続くまち”という印象を持たれる方が多いですね。

(「智識寺」の紅葉(上山田地区))
空き家バンクは常時、何軒ほど掲載されていますか?また、どのような物件が人気ですか?
高橋さん 2025年9月時点で17件(売買16件・賃貸1件)が登録されています。
売買は200万円台〜2,000万円台と幅広く、賃貸では月4.5万円ほどの物件もあります。
駐車場や庭付き、生活施設へのアクセスの良い物件が人気です。
実際に地域を訪れて、地元の方の声を聞きながら探してみるのもおすすめです。
首都圏から日帰りで来られる距離なので、観光とあわせて“暮らしの下見”をしてみる方も増えています。
訪れるたびに、“次は暮らしてみたい”という気持ちが自然に生まれるまちです。
空き家バンクに関する補助金はどのようなものがありますか?
高橋さん 移住定住者を対象に、リフォーム費用の1/2(上限100万円)や家財処分費の1/2(上限10万円)を補助しています。
令和7年度は予算上限に達し受付終了しています。今後の再開や新たな制度については市の最新情報を確認してください。
制度の更新にも柔軟に対応しており、“これからの移住者”にもチャンスが広がっています。
他に移住者が利用できる補助金はありますか?
高橋さん 「移住支援金」として、単身の場合60万円、世帯100万円を支給。
さらに18歳未満の子ども1人につき100万円を加算しています。
また「結婚新生活支援」では最大60万円を支給。このほか農業研修、創業支援など、ライフステージに応じた制度が充実しています。
“来て終わり”ではなく、“暮らしてからも支え続ける”制度づくりを大切にしています。
子育て世代に喜ばれている制度は?
高橋さん 医療費は0〜18歳まで完全無料。保育園やこども園も整っており、待機児童はほぼゼロです。
子育て支援センターや大型公園も身近にあり、親子で安心して過ごせる環境が整っています。
県立の中高一貫校(スーパーサイエンス指定校)もあり、教育の選択肢も豊富です。
子どもたちの笑顔がまちのあちこちにあふれている――そんな日常があります。
災害時の対応や環境はいかがですか?
高橋さん 洪水・土砂災害・内水氾濫に備えたハザードマップを整備し、避難所も明確に指定しています。
国と連携した治水対策も進み、防災環境は年々向上しています。
“備えがあるまち”として、安心を感じながら暮らせます。
移住体験ツアーはどのような内容ですか?
高橋さん 市内の魅力を1日で巡るオーダーメイド型のツアーです。城山史跡公園の展望や足湯体験、棚田の散策など、自然や暮らしの風景を体感できます。
学校や保育園、市役所の見学もあり、実際の生活をイメージしやすい内容です。
“観光ではなく、暮らす自分を感じてほしい”――そんな思いを込めています。


(魅力体験ツアー 姨捨の棚田の眺望/市役所での移住相談)
最後に、移住相談体制について教えてください
高橋さん 千曲市ふるさと振興課移住定住推進係では、オンライン(Zoom)、電話、メールでの相談を受け付けています。
移住検討ノートや移住パンフレット、子育て・暮らしのガイドブックなどの資料送付も可能。首都圏での移住相談会や移住フェアにも積極的に参加しています。
小さなきっかけからでも構いません。自然と利便性が調和する千曲市で、“自分らしい暮らし”を探しに、まずは一歩、訪れてみませんか。
■写真、地図:全て千曲市役所提供
※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。
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