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山ノ内町移住体験談 藤田様ご夫妻

update : 2023.04.17

写真、地図:山ノ内町役場提供

山ノ内町は長野県の北東部、上信越高原国立公園の中心に位置し、人口約11,500人が暮らす自然豊かなまち。
四季折々の大自然が広がる志賀高原と北志賀高原、湯量豊富な湯田中渋温泉郷、温泉に入る野生の猿“スノーモンキー”といった個性的な観光地が人気で、国内外から多くの観光客やスキーヤーが訪れています。

町は、寒暖の差が大きい気候条件を生かしたリンゴ、ブドウ、モモ等の果樹、エノキ茸などの菌茸類、ソバの栽培等、農業が盛んで、観光業とともに基幹産業になっています。
また近隣の長野市、須坂市、中野市などへも通勤圏内のため、さまざまな選択肢があります。

暮らしについては、自然豊かな環境を生かしアウトドアを楽しんだり、子育ても伸び伸びできるのが魅力で、普段の買い物や子どもの教育、病院なども町内及び近隣の自治体を含め便利な立地です。

移住定住支援も充実し、近年は新たなことにチャレンジする移住者も増えています。

今回は山ノ内町の湯田中に飲食店「食堂よろしき日」を開店した藤田さまご夫妻にお話を伺いました。

写真:藤田さん提供(藤田さんご夫妻)

はじめに、移住された経緯をお伺いできますでしょうか?

奥さま 出身は京都なんですが、冬のリゾートバイトで野沢温泉村の旅館で働いたのがきっかけで長野に来ました。温泉とスキーが目的だったんですが、リゾートの魅力にはまってしまいまして3カ月で帰る予定が、それからずっと野沢温泉に住んで、長野にほれ込みました。

自然がたくさんあるのと食べ物も水もおいしいし、8つの県に隣接しているのであちこち行けるところもいいですね。

山ノ内町に移ったのは、妹夫婦が先に山ノ内町に移住してブドウとリンゴの農園をしているんですけど、コロナ禍で私たちが働いていた旅館が休業になった時期に、その農園に手伝いに行っているうちに山ノ内が良いところだなと気づき「お店をやりたいね」という話をしていて、お店の場所を探し始めたという感じです。

写真:山ノ内町役場提供(リンゴ畑)

ご主人 出身は神奈川ですが、山ノ内に来る前は東京の飲食店で働いていました。そのお店が閉店することになり一回、環境を変えて切り替えたい思い、短期でもいいから新たな場所で働こうかなと思って長野に来て、妻とは野沢温泉の旅館で知り合いました。

住まい、店舗はどのように探されましたか?

ご主人 まず、店舗と住まいが一緒じゃないときついなと考えていました。冬の時期は雪の量が違うので、朝の移動やオープン前の雪かきを加味した上で通勤時間がゼロの方がいいと考え、店舗と住居が一緒の物件を探しました。

写真:藤田さん提供(1階が店舗、2階が住居)

町の空き家バンクでも探しましたが、役場の方に不動産店を紹介され、まず自分たちが目をつけた物件を見せていただいたんですが、古民家的な物件だったので再生するのにすごく資金が必要だなと。土地も広かったのでその維持もきつそうだなと思い、不動産店の方とお話ししたところ「居抜きで良い物件がありますよ」ということで別の物件を紹介していただきました。

物件を探す時のアドバイスなどはありますか?

ご主人 自分たちが何をやりたいかをきちんと伝えて、その際に土地柄とやりたいことがマッチしているかということに関しては、長年そこに住まわれている方のアドバイスを聞いた方がいいですね。

どのくらいの期間で物件が見つかりましたか?

ご主人 3カ月から半年くらいの流れだったと思います。都心などと比べて圧倒的に物件数は少ないですし、公に公開されている中から選ばなければいけないと思いがちですが、不動産店に足繁く通って新しい物件の情報をもらうとか、どのくらいの期間待てばいいのかとか、具体的なアドバイスをそこでもらえばいいと思います。

役場のサポート、補助などはありましたでしょうか?

ご主人 かなり手厚い補助がありましたので、それも開業のきっかけの一つですね。

奥さま 空き家の店舗部分の改修にかかった費用のうち、250万円は空き家等再生事業補助金で補助していただきました。
また店舗と住居の家賃の一部も町の移住促進家賃補助金で3年間の補助があります。
https://www.town.yamanouchi.nagano.jp/422.html

お店はどの辺を改修しましたか?

ご主人 店舗の改修としては小上がりがあったんですけど、それをテーブル席に変えたのと、入り口がガラガラと開ける引き戸だったんですけど、知り合いの方にお願いしてポップな感じに変えました。

写真:藤田さん提供(入り口は引き戸から開き戸に改修)

厨房に関しては居抜きだったんですけど、ほぼほぼ入ってなかったので、われわれ仕様にしました。あとお茶碗を並べる棚も作ってもらいました。

写真:藤田さん提供(改修中の店内/改修後の店内/新たに作ったお茶碗の棚)

1階が店舗、2階が住居のメリットはどのように感じていますか?

ご主人 本当に楽ですね。オンとオフがすぐできます。

奥さま 店舗兼住宅だと生活が乱れていやだという方も中にはいると思うんですけど、私たちはこのスタイルが合っていると思います。雪かきも一回で済みますし、ちょっと仕込みをしたいときもすぐできますし。

役場には何か相談されましたか?

奥さま 山ノ内がどんなところかは妹夫妻から聞いていたんですが、それまでの一般的な役場のイメージと違い、山ノ内町役場に入った瞬間からすごく皆さんウエルカムな雰囲気で、担当の方も聞いたことに全部答えていただいて、「こういうところもありますよ、あそこもいいですよ」という感じで親切だったので、すぐに「山ノ内町いいね!」となりました。
インターネットでも調べられますが、まずは動いて町を見たり、役場の方の話を聞く方が確実にいいと思います。

お料理はどのようなものを提供されていますか?

奥さま 基本的に地元の食材、野菜を中心としたお料理をお出ししていまして、京都の“おばんざい風”というか、お盆の中にメインのお料理と小鉢を数品、サラダ、おみそ汁、ご飯を並べた定食と、冬だけではなく通年お出ししている手づくりおでんの定食になります。

写真:藤田さん提供(よろしき日定食/おでん定食)

あとはアルコール類も置いていますし、スイーツもあります。営業が通し時間なので、他のお店が閉まっているときにもオープンしていますので、「ごはん」から「お茶」から「飲む」までできるお店です。

お料理は野菜を中心としたヘルシーな感じなんですけど、基本的に私が作って、月に一度「肉の日」を設定しまして、主人が東京時代にお肉料理のお店で働いていたのでハンバーグなど作って、キッチンの中と外の担当が入れ替わるという日にしています。

食材は山ノ内町のダイコンやネギ、隣の中野市のトマトや、道の駅に行ったらたくさん野菜があるのでそこで買ったりもします。
野菜以外はすぐ近くの養魚場さんの信州サーモンもつかいます。

ご主人 あとは山ノ内•中野の果物もつかいます。妻の妹夫婦の果物、プラス知り合いの果樹農家さんから、はねだしのものをいただいたり、それをうまく有効活用させていただいて、市販のドリンクではなくフルーツソーダなども手作りです。もちろんデザートも作っています。

どのようなお店づくりを心掛けていますか?

奥さま 一回来てもらって「また来たい!」と思っていただけるように心掛けています。店内の居心地の良さもそうですし、お料理がおいしいというのは絶対です。あとは会話をしてつながりをつくっていけるように、お客さま同士でもちょっと話せるような雰囲気というか「あっ、この人知り合いだった」ということも結構あるので。

私たちもお客さまから教えていただいた農家さんや調味料などもあったりするので、そういうつながる場所みたいな感じには心掛けています。

ご主人 今、ぼくらはご飯茶碗を作っていて、よろしき日定食、おでん定食のどちらかを選んでいただいたお客さまに、ご飯茶碗をお好きなやつを選んでいただいてお出ししています。そうすると、どんなお客さまでも「いらっしゃいませ」から「ありがとうございました」の間に必ず目を見て話すので、一度いらしたらどんな方かは大体、覚えています。

写真:藤田さん提供(自作のご飯茶碗、注文時にお好みのものを選べる)

ご飯茶碗を選んでいただくことが、コミュニケーションを取る一つのツールになっていますし、またご飯茶碗を作ることにもともと興味があって、作るのもどんどん上達していくので面白くなっています。作り始めて1年くらい、お店にある100個くらいは作りました。
自分たちも楽しめるお店づくりというのは常に考えていますね。

写真:藤田さん提供(眺めるだけで楽しくなる、彩り豊かなお茶碗)

お店に訪れたお客さまの感想はいかがですか?

ご主人 女性の方が一人でも入っていただけるようなお店づくりは常に考えていまして、「女性一人でも入りやすいお店ができて良かった」と言っていただくことは多いです。

奥さま 客層はバラバラですが基本的に女性の方がいらっしゃって、その方がまた友達を連れてこられたり、旦那さんや彼氏さんを連れてこられたり。女性は食べることが好きだったり、作るのが好きな人が多いので「どうやって作るの?何が入っているの?」とかそういう話はよくしますね。

山ノ内町に暮らされて感想はいかがですか?

ご主人 雪の量が以前、住んでいたところに比べ少ないですし、去年がすごかった分、今年は少し楽ではあります。都会から移住してきた僕らからすれば雪というのは遊ぶところだったのが、あるときは生活をおびやかすものに思える瞬間もあり、ここに住んでいる以上、つき合っていかなければいけないものなんだなと改めて二人とも感じました。
山ノ内に関しては車で出ればお買い物もできるし、特にマイナスイメージはないです。

奥さま 都会から来ると電車が少ないとかいろいろあるんですけど、湯田中駅も近くにあるし乗れば長野駅まで行けるし、バスもあります。買い物はコンビニもあるし、ドラッグストアもあるし、暮らしやすいです。
スーパーは隣の中野市まで行きますが、車で10〜15分ほどです。

温泉も移住された理由の一つというお話でしたが?

奥さま それがあることゆえに、ここを選んだというのもあります(笑)。
野沢温泉では毎日、温泉に入っていたのでそれに慣れてしまい、温泉に入れるというのも条件の一つでした。ここのお湯も熱いので、ぽかぽかして湯冷めしにくいです。
入浴料は町会費みたいな中に含まれています。

写真:山ノ内町役場提供(湯田中温泉街/渋温泉街)

ご主人 共同浴場は町全体ではおよそ55カ所、湯田中だけだと10数カ所あるそうです。

最後に、移住へのアドバイスをお願いします

奥さま 常に自然が周りにありますし、景色が毎回、違うというのはいろんな発見があります。
地元の方はそう思っているか分からないですけど、外から来る人の方がそういうのって感じやすいというか、非日常という感じです。車を止めてつい、写真を撮っちゃうときもあります。

ご主人 移住してくる方々が、今後の山ノ内の発展というか、そういうところに関わっていくんだろうなと肌で感じる部分もあります。役場の方にも、やりたいことをサポートしていただけることもありますし。

ただ「何かやりたい、山ノ内だったらできるかな」と思ったのなら、ぶれないで、志を強く持たないと簡単に手に入れられるものではないと思います。

もともと、ここで生まれ育ってきた方たちもいますので、その環境と自分たちをどう適応させるかということも多分、すごく重要だと思います。僕らも、渋温泉も含めて懇意にさせていただいている方もいらっしゃるので、そこは本当にいいお付き合いをしていければいいなと思っています。

■食堂よろしき日 インスタグラム
https://instagram.com/shokudoyoroshikihi?igshid=YmMyMTA2M2Y=


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