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御代田町移住体験談 戸澤様

update : 2022.04.25

写真、地図:御代田町役場提供(浅間山の麓の御代田町)

長野県東部、浅間山の麓に広がる高原のまち、御代田町。
軽井沢町や佐久市、小諸市の隣に位置し、各街の中心まで車で約20分のアクセスです。また北陸新幹線としなの鉄道を使い東京までは約90分で行ける環境にあります。

市内には雪窓公園や龍神の杜公園、やまゆり公園など大きな公園もあり、道路も整備されているので住み良い環境が整っています。
賃貸住宅大手が発表した長野県版「住みここちランキング2021」では1位に選ばれるなど、幅広い世代から人気のエリアで、移住者も増加傾向です。

今回は、東京から移住された戸澤さんにオンラインでお話を伺いました。

(勤務先にてオンライン取材に応じる戸澤さん)

はじめに、移住された経緯からお伺いできますでしょうか?

戸澤さん もともと、田舎暮らしに憧れていたというのが根底にはあるんですけど、いつからか畑仕事をやりたいと思うようになり、いろんな地域で農業体験をしてきました。

2020年の秋ごろ、奈良県の地域おこし協力隊として野菜作りを手伝う活動に応募しようと、その前段階の体験会に参加したんですが、コロナの影響で中止になったんです。そのような話を、そのとき宿泊した奈良県の宿の方にしたところ、地元の農家さんを紹介してもらい、稲の収穫から乾燥、はぜ掛けなどを手伝わせてもらいました。

写真:戸澤さん提供(奈良では、はぜ掛け台の設置や、はぜ掛けなどを体験)

その後も、岐阜でお米や野菜を作っている友人の実家で稲刈りを手伝ったこともありました。

そんな経緯から自分も畑をやってみたいと思うようになり、岐阜に移住しようと考えていたときに、ちょうどロックダウンという言葉がメディアに出だしたんです。結局、何かあって迷惑をかけちゃいけないなと岐阜への移住はやめたんですが。

ただ、それまで住んでいた東京のマンションの解約日が決まっていたので、「どこか見つけないと」となり、当初、20年ほど前に移住した両親が住んでいる軽井沢で、一時的に賃貸物件を探そうと考えていたんです。

ただ、両親から「今は隣の御代田町が人気みたいだよ」と言われて。当時は時間もなかったので、不動産店に行きその日のうちに御代田町の賃貸物件に決めたんです。

お部屋探しのポイントなどはありましたか?

写真:戸澤さん提供(部屋でくつろぐ戸澤さん)

戸澤さん ギターを弾くので音が響くから木造はいやだなと思い、ずっとマンションに暮らしていたこともあって、今回も鉄骨造の賃貸物件に決めました。浅間山がすごくきれいに見えたことも良かったです。

写真:戸澤さん提供(戸澤さんの賃貸物件から見える浅間連峰)

お部屋探しなどでアドバイスはありますか?

戸澤さん 土地勘がまったくなかったので父とおいっ子が一緒に来てくれたんですが、おいっ子が、とても地域のことに詳しくて「この地域はいいよ」とか「この辺はおいしいものがある」とか、家族のアドバイスを聞きながら決めたというのはありますね。自分の好みで選ばない方がいいと思います。まったく違うじゃないですか、東京と文化的なものが。

東京は十数年住んでいましたけど、あいさつをしても返ってこないとか、同じマンションでも隣に誰が住んでいるか分からなかったですし。地方は、近所はみんな知り合いみたいな部分も含めて文化がまったく違うので、自分の基準だけで決めると100%間違えるなと思ったんです。

そのことは、いろんな各地を回って農業体験をしていたときに思ったことですね。

写真:戸澤さん提供(戸隠ではトマトのわき芽かき、雑草抜き、各種苗の根付けなどの農業体験を…)

気温もマイナス10度になるところには行ったことないですし、雪が降る地域とか標高が千メートル近くのところには住んだこともないですし、全て違うんですよね。精米機も東京では見かけないですし。逆にこちらでは、自転車に乗っている人をあまり見かけませんが…。

文化の違いがある所で、まったく知らないのに自分の価値基準だけで判断するのは間違いだなと思い、周りの詳しい人のアドバイスに従おうと思いました。

生活コストなどはいかがですか?

戸澤さん 生活コストは、住んでいる場所にもよると思うんですけど、東京に住んでいたときの同じ間取りの家賃と比べると約2分の1ですね。それはびっくりしますよね。

水道代は若干、高い気がします。電気代は変わらないと思います。都市ガスは安いですけどプロパンガスは高いですね。冬は石油ファンヒーターで灯油を使うじゃないですか、それは東京では使わなかったですね。

とはいえ、冬の日差しが低いので昼間は日が当たり、部屋の気密性が高いのでとても暖かいです。冬でも昼間は暖房とか一切つけないです。夕方になって寒くなったらつけますけど。
逆に夏は日差しが高くなるのでちょうど入ってこないんですよ。

御代田町に住まわれていかがですか?

戸澤さん まず東京へのアクセスが良いです。当初はよく東京に行っていたんですが、御代田駅から池袋まで高速バス片道2000円ほどで行けるんですよ。往復で4400円、とても安いです。
新幹線の方が速いですけど2時間半〜3時間くらいで行け、バスの車内はWi-Fiがあるので動画も見られますし、仕事もできるので不便はないですよね。

近隣へのアクセスはいかがですか?

戸澤さん 軽井沢、佐久、小諸という隣接したまちに20分程で行けるんですよ。ちょっと車で走るだけで街が見えてくるので、ガソリンスタンドや買いものも便利だし、多分、子育てもしやすいと思います。程よく田舎で程よく都会なので暮らしやすいです。

それと、その土地の文化や教育観というのもあると思うんですが、長野の人は運転マナーがいいです。東京で暮らしたことのある人なら、すごくびっくりすると思います。

あと野菜やお米など食べ物がおいしいですね。自分でも野菜などは作っていますし。

野菜作りもされているのですね

戸澤さん 僕は毎日、近所の神社に参拝するのが日課なんですけど、引っ越して1、2週間後くらいに、その神社を掃除していた方がいたのでごあいさつしたら今、住んでいる物件のオーナーさんだったんですよ。

そこで世間話をしながら「畑をやりたいんですよね」という話をしたら「ぜひ、空いている畑があるので使ってください」という話になり、ミニトマト、枝豆、トウモロコシ、カボチャ、スイカ、ナス、キュウリ、オクラなどを作らせてもらっています。

写真:戸澤さん提供(畑では念願の野菜作り)

いろいろ作られていますね

戸澤さん 岐阜の友達にも送ったんですけど、「普通、そんなにできない」と言われましたよ。たまたま土が良かったというのもあるし、その野菜に適した土で作ることができたんです。毎日、写真を撮って、天気を記録して、いつなんの作業をやったかを全部、比較をとったんです。

写真:戸澤さん提供(季節になると毎朝採れる、数種類の野菜)

野菜作りは大変でしたか?

戸澤さん 聞ける人が近くにいなかったので全部インターネットで調べて、ホームセンターの園芸コーナーで種や肥料、農機具などを実際に見て勉強しました。

ただ、作業していると、素人作業を見かねて「何を育てているんだ」と声を掛けてくれる方もいて。
「これ、ナス育てているんですけど、まだ早いですよね?」と聞くと肥料袋を持ってきてくれて「こういうふうに被せておくといいよ」とアドバイスをしていただいたり…。肥料袋の上と下を切って筒状にして苗に被せると寒くてもテント効果になるみたいです。

写真:戸澤さん提供(戸澤さんが借りている畑)

お仕事はどうされましたか?

戸澤さん もともと、自分の好きなことで独立して教育的なことやコンサルティング的なことなど幅広くやっていたので、就職するつもりはなかったんですが、好きなことしかやらなくなるとインプットがおろそかになるんですよね。得意分野、自分の知っている範囲だけで何かやろうとしていると、自分の中が枯渇していくというか。

あと、だんだん挑戦しなくなってきます。自分自身の裁量で全て決められる環境というのはある意味で厳しいというか、やらないなら、やらないでいいじゃないですか。「きょう寝てよう」と思ったら寝てられるので。
でもそれってだんだん、やらない方向になっていくんですよね、よっぽど高いモチベーションがないと。例えば日本一の企業をつくろうと思っていないと、モチベーションは続かないですよ。

それで野菜を作ったり、いろいろ調べているうちに今の職場の「唐沢農機」の存在を知り、ホームページ(https://www.karasawanouki.co.jp/)も今までの“農業”のイメージと違いますし、展示場もおしゃれですし、面白そうな会社だなと思って会社説明会に行きました。

会社説明会に行かれていかがでしたか?

(勤務先にてオンライン取材に応じる戸澤さん)

戸澤さん こういう“挑戦する”という考え方とか好きなんですよ。
昔から「HONDA」創業者の本田宗一郎さんが大好きで「HONDA」の看板でもこういう言葉があるんですよ。「唐沢農機」にも同じものを感じて、今は農機具の販売を担当しています。今後は農機具の使い方や、相手が困っていることに対して最適なものを提案できるようになりたいです。

写真:戸澤さん提供(職場でトラクターの確認をする戸澤さん)

働かれてみていかがですか?

戸澤さん 今の若い世代は特に、好きなことをやって生きていくという風潮ってあると思うんですけど、僕も好きなことや、やりたいことだけをやってきたんです。そうすることで幸せになれると思っていたんですけど、違うなって分かったんです。年収1000万円とか、そういうのを追いかけてきましたけど、別にだから幸せになれるわけじゃない。

写真:戸澤さん提供(職場でチェーンソーの確認をする戸澤さん)

だから挑戦という言葉が大事なんですよ。何かに挑戦してできないことができるようになって喜びとか幸せを感じるんですけど、慣れ親しんだものの中にずっといたら幸せも感じないと思うんですよね。
だから、今は面白いですよ。まったく違うことをやりたかったんですよ、知らない世界というか。野菜作りも同じ感覚ですし。

休日はどのように過ごされていますか?

戸澤さん 都会に住んでいたからかもしれないですけど、アウトドア系が好きなので、実家の庭でバーベキューしたり、部屋でギター弾いたりしています。

東京にいたときは軽井沢のキャンプ場によく行っていたんですけど、こっちに来たらキャンプ場に行く必要ないというか、実家の庭で全部できるんです。

都会のオフィスに囲まれた便利なところから、少し不便はあるけれど緑に囲まれているところに行って、自分で火をつけ、たき火で料理を作ってみたり、そういうことをやりたかったんです。

写真:戸澤さん提供(実家の庭でバーベキュー)

今後の目標などはありますか?

戸澤さん もともと一軒家を持ちたい願望はゼロだったんですけど、こっちに来てからは変わってきました。最近、合気道を始めたので神社で毎朝やっているんですけど、稽古ができるスペースが欲しいです。道場付きで、畑ができ、かつ教育的なことができる“家兼学校”みたいな場所をつくりたいですね。

写真:戸澤さん提供(御代田町での暮らしを満喫する戸澤さん)


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