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茅野市移住体験談 野澤様
update : 2021.12.23
写真(八ヶ岳連峰の麓の茅野市)、茅野市地図:茅野市役所提供
茅野市は八ヶ岳の西麓に広がり、電車や車で東京から約2時間、名古屋から約2時間半でアクセスできる移住者に人気の地域です。年間日照時間は長野県内でも3番目の長さで、冬でも高い晴天率を誇ります。冬は北信に比べ雪が少なく、雪かきの心配がありません。
市内は「駅近くの利便性の良いにぎわいエリア」「住環境が整ったふれあいエリア」「ゆっくりと時間が流れる里山エリア」「避暑地で有名な蓼科高原エリア」に分かれていて、ライフスタイルに合わせた田舎暮らしが実現できます。
また、長野県内でも早くからオンライン移住相談を実施するなど、移住のサポート体制も充実しています。
今回は茅野市の里山エリアに移住し、八ヶ岳連峰を望む中大塩地区にスパイスを使ったお惣菜、お弁当のテイクアウト専門店「チルクス惣菜店」(https://www.instagram.com/cirkus.deli/)をオープンした野澤さんにお話を伺いました。
(東京から移住された野澤さん。チルクス=CIRKUS、チェコ語でサーカスの意)
はじめに、移住された経緯からお伺いできますでしょうか?
野澤さん 出身は福岡で食に関する仕事がしたくて東京に移り、東京で暮らしていたころ主人と出会いました。主人の実家は辰野町なんですが、職場と住まいが茅野市でしたので、結婚を機に茅野市に移住しました。
移住前は茅野に来たことはありましたか?
野澤さん 移住前にも茅野に友人たちがいましたので毎年、夏に蓼科や辰野などへキャンプをしに来ていて、「野菜や果物、水と空気がとにかくおいしい」「長野に来ると開放感で気持ちがいい」というイメージでしたね、ずっと。ですので、初めての地ではないという感覚で、安心して移住できました。
お住まいはどうされましたか?
野澤さん こちらに来た当時は、主人が住んでいた賃貸の一軒家で暮らしていて、子どもが3歳になり保育園を探すときに、北山というエリアに中古物件を購入して4年前、引っ越したんですよね。
そのときは、私が商売を始めた年でもあったので仕事関係のものがかなり多く、「とにかく広い家で庭がある」ということが条件でした。古い物件に関しては私も主人も気にしない方で、リノベーションしたかったので、そういった物件を不動産店でけっこう探しましたね。
写真:野澤さん提供(自宅に、新たに店舗や移動販売のためのセントラルキッチンを増設)
物件探しでアドバイスはありますか?
野澤さん とにかく歩いてみて、良さそうな空き物件があったらその近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちに話しかけていろいろ聞いたりもしました。
当時は、売りに出でいる広くて安い一軒家はそんなになかったんですけど、なるべくいろんな物件を見るようにしました。
荷物がそのまま残っている物件だったり、リノベーションするのにかなり費用がかかりそうだなという物件もあったので、できるだけ現地を見て「ここを直そう、ここを直そう」とイメージして。2、3カ月くらい探して不動産店で良い物件があったので決めました。
リノベーションは大変でしたか?
野澤さん 壁が古かったので自分たちで全部、珪藻土を塗ったんですね。塗るのはぜんぜん、大変じゃないです。たぶん誰でもできると思います。
材料はホームセンターで買って、ネットで塗り方を検索して。ペンキも自分たちで塗りました。それと床にタイルカーペットを張り直したら1カ月くらいで住める状態になりました。
茅野市には改修に関する補助金があるので、うちも中古物件のリノベーション補助金を使わせていただいて、お風呂だけとっても古かったので業者さんにお願いして新しくしました。
お店はどのような経緯でオープンされましたか?
野澤さん いつかは自分のお店をもちたくて、福岡や東京でも食にたずさわる仕事をしてきて、東京にいたころはキッチンカーで移動販売もしていました。
写真:野澤さん提供(クレープ、たい焼きをキッチンカーで移動販売していた東京時代)
食材がおいしいこともあり、こちらでも子育てが一段落してからキッチンカーでカレーを販売しはじめました。
コロナ禍の中、「森のオフィス」(富士見町のコワーキングスペース)さんから「対面販売ではなく、テイクアウトのものを何か出せないのかな」とご相談があり、冷凍庫を置かせてもらって冷凍パウチカレーを販売したところ好評だったんです。
それまではレストラン形態での出店を考えて物件を探していたんですけど「もう、テイクアウトのみの方がいいんじゃないか」と。もともとスパイスを使ったお惣菜をやってみたかったので「テイクアウトのお惣菜屋」として店舗物件を不動産店で見つけ、今年5月にオープンしました。
(野澤さん(左)とスタッフ。内装は野澤さんが好きな国、ヨーロッパのチェコの雰囲気をイメージされているそう)
お店もご自身でリノベーションされたのですか?
野澤さん 基本的な部分はお友達の大工さんにお願いして、私は塗る専門でした(笑)。店内と外壁を塗りました。天井は、ぽたぽた塗料が落ちてきやすく難しいんですけど(笑)、薄めに3回塗りました。
(店内では、体にやさしいお菓子やオーガニック食品の販売、スパイスの量り売りもしている)
リピーターのお客さんたちでにぎわっていますね
野澤さん 普段、仕事が忙しすぎて「もう一品ほしい」とか「きょうは疲れたから作れない」というときに買う場所があまりなかったので、無添加で体にいい地元の食材を使い、安心して食べられるお惣菜がほしいなと思ったんですね。私も子育てを経験しましたので、子育て世代のお母さん方や仕事も一生懸命、頑張っているお母さん方に利用していただければうれしいですね。
写真:野澤さん提供(お惣菜メニューは1カ月半程で新メニューに入れ替わるそう)
食材に関してはいかがですか?
野澤さん 主人の実家で無農薬のお野菜を育てていたり、親戚もお米をやっていますので、そのお野菜とお米を使わせていただいているんですけど、この地域では無農薬のお野菜を育てている方が多いので知り合いの農家さんからも仕入れたり。お野菜はとてもおいしいです。
写真:野澤さん提供(ナツメグ、ブラックペッパーを使ったミートローフは12月18日までのメニュー)
写真:野澤さん提供(スパイス唐揚げ(12月18日まで)など)
こちらの店舗の他にもやられているんですか?
野澤さん 今はこのお店と「森のオフィス」での販売や、移動販売のキッチンカーでイベントにいったり、岡谷市のオーガニック食品を扱う「カンビオ」さんの2階で毎週木曜日にお惣菜のイートインとテイクアウトをやっています。
どのようなイベントで移動販売をされていますか?
野澤さん 茅野はイベントが多い地域だと思うんですよね。「クラフト市」は夏と秋にあり、「星空の映画祭」は夏に1カ月ほど毎日やっていて、隣の富士見町でもハロウィーンのイベントがあったり…。夏と秋は、ほぼ毎週イベントがあります。
写真:野澤さん提供(現在、4代目となるスパイスカレーのキッチンカー)
この地域はIターンやUターンで移住された方が割とかたまっていろんなイベントをされ、そこにもともとの地域の方が一緒になって地域を盛り上げています。原村、富士見町、蓼科など近隣の方が一緒になっていろんな集まりがあるので、皆さん本当に頑張っています。
イベントじゃなくても「みそを造りましょう」とか「せっけんを作りましょう」と頻繁に行なわれ、ママ友同士で情報交換したり、つながりは強いと思います。
なのでちょっと入っていけば、すぐにお友達ができると思います。
茅野市で4年ほど暮らされてみていかがですか?
野澤さん 本当はゆったり暮らしたいんですけど、今はお店もやっているのであまり家でゆっくりできていないんですが、いい場所ですし、物件もとても気に入っていますし、ご近所の方もとても良い方々です。
ご近所さんとも良い関係なんですね
野澤さん 何回か物件を見にいったときに隣近所の方にごあいさつさせていただき、お話を伺わせていただいたこともあり、ご近所付き合いの面でも安心でした。
一つの行事でも地域によってやり方が変わってくることもあると思うんですよね。例えばお葬式でも、福岡にいたころとこちらでは形式がちがうこともあって。ですので、地域のことはお隣さんに聞いています(笑)。コミュニケーションを取るには、分からないことは素直に聞くのが良いと思います(笑)。
子育て環境はいかがですか?
野澤さん うちの息子は暴れん坊で小さい頃からいろいろ走り回っているんです。都会のマンションで走り回ると上下の部屋の住人が気になると思うので、そういうストレスがまったくなく過ごせ、そういう面でも移住してよかったなと思います。
今は庭もあるので、自転車に乗ったりいろんな遊びができるので、このまますくすく育っていくんじゃないかなと思っています。
写真:野澤さん提供(自宅の広い庭で息子さんが遊んでいる様子)
小学校の環境はいかがですか?
野澤さん 1学年1クラスで25人です。保育園からずっと同じメンバーで育ってきて、お母さん方ともずっと一緒という環境なのでとてもよいと思います。担任の先生も25名すごくよく見ていただいて、助かっています。
最後に、移住を考えている方にアドバイスをお願いします
野澤さん まだいろんな可能性がある土地だと思います。食べ物にしても「このお店ないよね」というお店がいっぱいあるので、私もまだ「こういうのやりたいな」というのはありますし(笑)。割とやりやすいと思いますよ。