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箕輪町移住体験談 五十嵐様親子
update : 2019.12.24
写真:箕輪町観光協会提供(中央アルプスを眺望できる箕輪町)
箕輪町は長野県のほぼ中央に位置し、東京や名古屋、大阪などの大都市へ自動車や電車、高速バスでアクセス可能です。自動車なら、東京から約3時間(伊北インター)、名古屋からは約2時間半(伊那インター)、大阪からは約5時間(伊那インター)程です。自然豊かですが、スーパーなどのお店もあり生活には困らない「ほどほどの田舎暮らし」をしたい移住者に人気のコンパクトシティーです。
また、子育て支援にも力を入れており、保育園は8園、そのうち3園が信州やまほいく認定園となっています。町内に住んでいれば、保育園の送り迎えの時間もほとんどかかりません。住宅支援も整っており、若者世帯定住支援奨励金、空き家改修費等補助金、空き家片づけ事業補助金などの支援があります。
今回は、千葉県より移住された五十嵐さん親子に、お話を伺いました。
(五十嵐さん親子と箕輪町役場の冨沢さん(右))
はじめに移住された経緯をおうかがいできますか?
母・裕子さん もともと千葉県出身なんですが、webサイトやグラフィックデザインの仕事をしていました。ネット環境があればどこでもできる仕事でしたので、娘が高校を卒業したら、田舎の方でのんびりとスローライフを満喫しようかなと考えていました。
田舎暮らしを夢見て色々調べていたら「地域おこし協力隊」という地方でのお仕事を知って興味がわき、移住へのハードルが少し下がった気がして、応募しました。地域おこし協力隊は、地域の人と関わっていかなければいけない、ということも私にはプラスでした。私は人付き合いが苦手なほうなので、そういう環境で地元の人と知り合うことができて、地域に定着できるんじゃないか、と考えました。そして、2017年に移住しました。
写真:箕輪町観光協会提供(上ノ平の桜、秋の風景、赤そばの里)
地域おこし協力隊のお仕事はいかがでしたか?
母・裕子さん 地区を超えて議員さんから農家の方など、色んな人とお知り合いになれて、人付き合いに関しては、地域おこし協力隊をやって良かったなと思います。
せっかく定住するなら楽しく、という気持ちがあったんですが、自分からは積極的に地域の人に関われなかったらという不安が強かったので。
採用は、みのわの魅力発信室という部署で移住定住や情報発信が主な仕事でした。自分自身で「LOVE&WORK」をテーマに掲げネットでの情報発信やチラシのノウハウの勉強会を主催したり、若者の居場所作り、クラウドソーシングの普及など様々な活動をしてきました。協力隊は、2017年4月〜2020年の3月までの任期です。
今後のお仕事はいかがですか?
母・裕子さん 協力隊の終了後は、自分が幼い頃から趣味で得意だった、ハンドメイド小物をお仕事にしようと思いました。そして、刺繍とか布小物、アクセサリー制作を始めました。箕輪町はお土産が少ないので、最近では、そういうことを意識して箕輪町のモミジのアイテムを制作しています。
写真:箕輪町観光協会提供(もみじ湖)
モミジのハーバリウムやつまみ細工でモミジのアクセサリーを作りました。イヤリングや、ブローチにしたり、着物を着る時につけるアクセサリーにしたりというような感じです。
(モミジ、制作した小物やアクセサリー)
お店はいつオープンしましたか?
母・裕子さん 今年の9月にオープンしました。併設で隣がデザイン事務所になっていて、こっちで商品を作ったり、販売をしています。
今後はワークショップも予定しています。こないだは、モミジのつまみ細工と木工のワークショップをやりました。萱野高原で採った木の実や枝とか使ってメモスタンドを作ったり。
11月はクリスマスリースのワークショップを開きました。山にリースの素材になるツルを採りに行ってリースの土台から作りました。翌週に飾り付けをしたり。ワークショップを開けるのは公民館が一般的ですが、ここを解放して「ワークショップを開きたい」、という方に場所貸ししたり、色んな人に利用していただいて、ワークショップを開いてほしいなっていうのはあります。
ワークショップや教室、手芸は道具を集めるのが大変なので、道具も込みで時間貸しでカフェ代わりに手芸をするみたいな、一般の人に第二のアトリエとして使っていただくことを今考えています。
(アトリエ兼ワークショップスペース)
今までどのような方が参加されましたか?
母・裕子さん つまみ細工は30代から上が多かったですね。ワークショップは木工などは小学生に人気ですね。見本と材料をおいて、好きなものを作ってみてと言うと、小さな子も大人顔負けの素敵な作品を作ります。子どもたちの創造力にはいつもおどろかされます。
店舗はどのように探しましたか?
母・裕子さん 昨年、地域おこし協力隊の仕事でここを借りていて、その後もまだ空いていたので、大家さんに直接お願いしてお借りしました。
住まいは、空き家バンクで探しました。2DKの物件で大家さんにお風呂とか直していただいて、住める状態にしていただきました。今は賃貸ですが、いずれは、今の物件を購入することも考えています。
最初は購入を検討しましたが、持ち主の相続や権利の関係でまだ、買えない状況です。もうしばらく時間がかかると思います。庭が広いので家庭菜園もできそうですし。
空き家バンクを利用されていかがですか?
母・裕子さん 空き家バンクは普通の賃貸物件とちがって、だいたい修繕が必要だったりします。手間はかかりますが、条件などが合えば自分好みの物件に出会うことができると思います。
また箕輪町には、空き家バンク物件のリフォームや片付けに利用できる補助金の制度がありますので、利用しやすい体制は整っていると思います。
箕輪町役場 冨澤さん 現在の空き家バンクの登録物件は、30〜40件くらいあります。
楽園信州の空き家バンクと伊那地域空き家バンク(伊那市、箕輪町、南箕輪村(https://www.ina-akiyabank.jp/)に掲載しています。
空き家バンクの物件は不動産業者さんが扱っている物件と違い、持ち主の家財道具が残っている場合がありますので家具などそのまま使用できることもあります。また、売り主と買い主が直接交渉できる場合がありますが、ほとんどのケースは仲介が入りますし、そちらをオススメしています。
写真:箕輪町役場提供(箕輪町役場U•Iターン推進係)
暮らされてみていかがですか?
母・裕子さん 現在の住まいは、標高が800メートル以上の場所にあるので、寒いと思います。ただ、私は暑いところが苦手で、寒いくらいの方が好きなんです。2年半暮らしていて、地元の人より寒さに強いと言われました。雪はあまり積もらないですが、降っても10センチも積もらないです。千葉と変わらないレベルだと思います。
娘さん 移住してとても満足しています。都会のように、人がたくさんいなくてストレスがないです。都会の人はせかせかしているけど、こちらの人はおおらかで、のんびりしていて良いです。
写真:箕輪町観光協会提供(アルプスの見える風景)
長野は牧場が多いので気に入っています。小さい頃から牧場が好きで、一昨年から牧場で働き始めました。そういう暮らしができるのも田舎ならでは。千葉だと私が知っている牧場は一つしかないけど、長野は牧場が何カ所もあり選択肢があるんです。
移動は千葉の頃は電車やバスだったので、その時間に合わせていたけど今は自分で車を運転しているので、自分のペースで動ける。到着時間さえ守れば何時に出発しても良いし、寄り道もできる。都会だとこの時間にバスが出てこの時間で乗り換えてと、とてもせわしなかったんです。こちらは、移動距離は長いけど、自分で時間を作れるところも良いですね。
逆に不便なところはありますか?
母・裕子さん 夜道が暗いところですかね。曇りの日とかは特に暗いので、夜の運転は怖いです。生活面では家で凍結防止のため、水道を温めるサーモ機能を使用するのですが、おかげで電気代が高くなります。でも、水道につららができた時は、珍しかったので、思わずSNSにあげちゃいました!(笑)。
娘さん ガソリン代が高いです。茅野市までいくと少し安くなりますので、何かのついでに入れています。10円〜30円くらい違います。
移住者の交流会等はありますか?
母・裕子さん 地域おこし協力隊がメインでやっていますが、それほど大きなネットワークにはまだなっていなくて。移住して来た人と移住を検討している人が集まって、蕎麦打ち会や「信州みのわ東山山麓歴史の道」という全長15キロ以上あるんですが2キロ程を参加者で歩いたりとか。ながた自然公園にキャビンがあるんですがそこに泊ったりとか、不定期で交流会を開催しています。
写真:箕輪町観光協会提供(ながた自然公園のキャビン)
箕輪町の“食”はいかがですか?
母・裕子さん 娘は野菜が嫌いだったんですけど、こっちに来ておいしいって言って食べるようになりました。ジビエはこちらに来て初めて食べました。去年、猟友会のイベントで食べて以来、シカ肉はすごくおいしいと思いました。
写真:箕輪町役場提供(野菜)
最後に、箕輪町の楽しみ方を教えていただけますか?
母・裕子さん 箕輪町から少し行けば松本城があります。クラフトの素材を買いに岡谷に行ったり、映画は松本や伊那に行ったり。箕輪町ではゆっくり過ごして、何か必要な用事や遊びは隣の市や町へという感じです。都会みたいに混まないので、距離はあるんですが、そんなに苦痛じゃないです。パーキングも無料のところが多いです。都会だと駐車場代が気になってゆっくり買い物もできない(笑)。
娘さん 箕輪町は個性的な人が多いです。「ユトロギRoom 5884」のカフェのオーナーが夏に主催した、萱野高原から花火を観るフェス「high峰」は、同日に行われている「みのわ祭り」の花火を上から観ることができるんです。そこにアーティストさんを呼んで音楽を演奏したり、ビールなども提供していて、若い人も楽しめると思います。
写真:箕輪町観光協会提供(萱野高原)
電車もないわけじゃないし、1時間に1本ですけど。岡谷や松本も電車で行けばすぐ行ける、すべての真ん中なんですよ箕輪町は。南に行けば伊那市、少し北に行けば塩尻・岡谷・松本、もうちょっと頑張れば善光寺も行けますよ。
(お店の前でお客さんと談笑)