長野市と松本市、安曇野市、それに上田市に囲まれ、県の真ん中に近い場所にある筑北村では、人口約4000人が暮らしています。役場がある中心地の標高は約650メートルで、冬も雪はあまり降らず、夏は過ごしやすく四季の変化が楽しめます。また、のどかな農村風景や北アルプスの眺めも魅力です。

近年は子育て支援策も充実させ、若い世代の移住支援にも力を入れています。2023年12月には待望の長野自動車道「筑北スマートインターチェンジ」が開通し、各地への利便性が格段に向上しました。

今回は筑北村役場企画財政課で移住定住支援を行う関川さんにお話を伺いました。

（筑北村役場企画財政課の関川さん）

はじめに、近年の移住者の傾向をお伺いできますか？

関川さん　平成28年から令和5年度までに移住者された方の年齢別の割合は、次の図のとおりとなっています。0～39歳までの若者世代が41％となっており、40代以上の移住者が半数以上となっています。
移住元については、県外からの移住が全体の52％となっており、首都圏や愛知県からの移住が多いです。

移住者にとって筑北村の魅力はどんなところですか？

関川さん　筑北村の魅力としては、自然豊かな環境やコミュニティーの温かさ、また、都会の喧騒を離れ、静かな生活を送れることが魅力的となっています。

また、長野県中信地域の中央に位置し、南は松本市、北は長野市へと交通利便性が良い立地となっています。

筑北村の気候はいかがですか？

関川さん　筑北村の気候は四季がはっきりしており、夏は比較的涼しく、冬は氷点下15℃の日もあり、寒さが厳しいですが、降雪量はそれほど多くなく、年々減少傾向にあります。

（春、桜のある風景）

（夏、大沢ダム）

（秋、小仁熊ダムの紅葉）

（冬、雪景色）

実際に移住された方の声はいかがですか？

関川さん　平成28年度から令和4年度までに、筑北村へ移住された方81組へアンケートを行い、実際に回答が得られた48組のアンケート結果をまとめたパンフレットがございますので参考にしていただければと思います。移住後の生活の変化など、さまざまな質問にご回答いただいています。

（移住者へのアンケート）

空き家バンクについて、どのような物件が人気ですか？

関川さん　人気の間取りは3LDK～4LDK程度の家族向けの間取りとなっており、価格帯は、リフォームの有無によりますが、比較的手頃な価格で提供されています。
多いところで350万円～500万円の間となっています。

空き家バンクに関する補助金はどのようなものがありますか？

関川さん　空き家バンクに関する補助金としては、空き家所有者が使用できる「空き家活用事業補助金」や、空き家購入者が申請できる「空き家改修事業補助金」があります。内容は以下のとおりです。

「空き家活用事業補助金」につきましては、「空き家バンク」に登録していただいた空き家が賃借又は売買の契約に至ったとき、空き家内に残っている家財を業者に委託して整理、またはハウスクリーニングを業者へ委託し実施する場合に、その費用の一部を補助する制度です。
補助対象者は「空き家バンク」に空き家を登録している空き家の所有者の方、家財の処分を業者に委託する方で、補助金額の上限は20万円です。

筑北村空き家改修事業補助金（リフォーム補助）につきましては、村内の空き家へ移住または転居された方が、居住または起業のために空き家の改修工事を行う場合に、その工事費用の一部を補助する制度です。
補助対象者は村内の空き家へ移住された方、もしくは村内賃貸住宅から空き家へ転居された方で、補助金額は工事費の1/2以内で上限は50万円です。（ただし、自ら改修工事を行う場合は対象経費を原材料費に限ることとします）

詳細は役場の企画財政課にお問い合わせいただければと思います。

他に移住者が利用できる補助金はありますか？

関川さん　Uターンの場合、「筑北村Uターン促進事業補助金」や「筑北村Ｕターン促進住宅改修等事業補助金」があります。
また、UIJターンする方で、就業・創業する方には「筑北村UIJターン就業・創業移住支援金」があります。

スマートインターが完成し、村に変化はありましたか？

関川さん　2023年12月のスマートインター完成により、村役場から松本ICまで15分、長野ICまで23分と、通勤・通学の利便性はもちろん、各地からのアクセスが格段に向上しました。企業の誘致や、若者向けの住宅整備へも積極的に取り組んでいます。今後、移住者や関係人口の増加が図られるのかと思います。

（筑北村スマートインター周辺をドローン撮影。北東方向上空より松本方面）

近隣の市へは何分くらいでアクセスできますか？

関川さん　筑北村役場から高速・有料道を未使用の場合、松本市まで約30分、安曇野市明科まで約15分、長野市篠ノ井まで約30分、上田市まで約50分でアクセスできます。

移住者の方のお仕事は、どのようにされていますか？

関川さん　約6割が村内で働いております。その他、近隣市村へ通勤している方も多くいます。

子育て支援については、どのようなものがありますか？

関川さん　令和6年度の主な支援は、「出産祝い金」「入学祝い金」「JR通学定期券補助」「ファースト・セカンドブック事業」「子供の医療費助成」「小児インフルエンザワクチン接種の補助」などがあります。

その他にも、子育て支援センターや、親子で参加できるイベントも定期的に開催されています。
また、村内に2カ所ある保育園はいずれも信州やま保育認定園となっています。
詳細につきましては村ホームページ（https://www.vill.chikuhoku.lg.jp/archives/life-cat/child-rearing）をご確認ください。

移住体験住宅はありますか？

関川さん　申し訳ございません、令和6年7月現在はありませんが、令和7年度からの運用に向けて、現在整備中です。しばらくお待ちください。

最後に、移住相談の体制はいかがですか？

関川さん　個別相談等につきましては、随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
移住相談については、県主催又は、まつもと広域圏で年に1～2回開催される移住相談会へ出店を実施していますので、ぜひ一度、お越しいただければと思います。

（「信州で暮らす・働くフェア2024」での移住相談会の様子）

■写真、地図、アンケート全て筑北村役場提供

※記事の内容は取材時のものです。最新の詳細については市町村や取材元にご確認ください。