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朝日村移住体験談 信時様

update : 2023.02.17

写真、地図:朝日村役場提供

朝日村は長野県のほぼ中央に位置し、北•西は松本市・山形村、東は塩尻市、南は木曽と接しています。松本、塩尻市街地まで車で約20〜30分、高速道路の塩尻ICまでは約15分で、関東•中京•関西方面へのアクセスも良好です。
村の87%を山林が占めており、山の中のイメージがありますが、実際は住宅地のほとんどが平地です。

移住•定住支援については、空き家バンク制度の利用や登録物件の改修に関わる補助金、地域おこし協力隊制度、子育て•将来世代住宅取得補助金のほか、近年は移住×婚活を合わせてサポートする「移住婚」にも力を入れています。

今回は、地域おこし協力隊として移住された信時さんと朝日村役場企画財政課の大竹さんにお話を伺いました。

写真:朝日村役場提供(朝日村役場前でパンの出張販売をする信時さん)

はじめに、移住された経緯をお伺いできますでしょうか?

信時さん ずっと東京で働いていたんですが東京での暮らしがしんどくなってきまして、その時にたまたま松本市に遊びに来たんですね。そこで人との触れ合いとか、松本の雰囲気がすごく好きだなと思って、こちらに住めたらいいなと漠然と思っていました。

こちらで住める方法を探していたら、地域おこし協力隊の制度を知ったんですね。そこでさらに探したら朝日村と安曇野市が募集をしていて、安曇野だと少し観光地のイメージがあったので初めて知った朝日村に興味を持って、地域おこし協力隊なら田舎暮らしの体験をできるかなと思って、それをきっかけに2019年の8月に来ました。

地域おこし協力隊時代のお仕事について教えてください

信時さん 3年間、婚活事業を担当したんですが、役場内に独身者の出会いをサポートする目的で「結日(むすび)」という相談所を立ち上げました。
村内者同士、村内者と村外者の出会いの場ができればということで、例えば「おそば作りのイベント」などと一緒に出会いの場として婚活の企画などをしていました。

写真:信時さん提供(地域おこし協力隊時代の信時さん/左)

ただ村内だけのイベントだと出会いに限りがあったので、村外者との出会いの機会ということで長野県が行っているハピネスナビ信州の婚活マッチングシステム「NAGANO ai MATCH」(https://happy.nagano-kosodate.net/)の利用も始めました。
ちょうど時期的にコロナ禍になり、みんなで集まって食事をするとか、特定の空間に不特定多数の方が集まりにくい環境になってきて、イベント中心の婚活支援からコロナ禍でも対応できることを考えました。

「NAGANO ai MATCH」は、市町村等の公的結婚相談所に登録・所属して利用する結婚マッチングシステムで、朝日村では「結日」がその窓口になっています。自分のスマートフォンを使って、県内全域からお相手を検索、気になったお相手にお申し込みをして、1対1でお見合いができます。
ライフスタイルに合わせて、お相手探しからお見合いまで、婚活を効率的に進められるシステムだと思います。

その後「県内だけじゃなくて県外の婚活希望者とのつながりもできたらいいですね」ということで2021年10月、新たに、一般社団法人 日本婚活支援協会が運営している「移住婚」(自治体向け結婚支援サービス https://www.vill.asahi.nagano.jp/official/soshikikarasagasu/kikakuzaisei/kikakutanto/konkatsapooto/3264.html)の仕組みにも受け入れ自治体として登録しました。
地方移住を希望する独身者に対して「結婚」+「移住」を同時にサポートする仕組みです。

まず「移住婚」の運営サイトに朝日村のページがあって、県外の独身の方(男女問わず)が、それを見て応募をしてくださって、その方のデータが私のところに来て、その方と私がやりとりをして、私の方で持っている朝日村の独身者を紹介するというシステムだったんですね。

そこでお互い興味があれば1回目をオンラインでやりとりをして、2回目以降はオンラインもしくは直接、会ってやりとりするかたちでした。

(※一般社団法人日本婚活支援協会の移住婚のサイトによりますと(https://konkatu.or.jp/press_release2023_0210)2023年1月末時点で、京都府の他、11の登録自治体(北海道美幌町、福島県会津若松市、茨城県常陸太田市、富山県氷見市、長野県駒ヶ根市、山ノ内町、朝日村、岐阜県高山市、飛騨市、下呂市、白川村)への紹介実績は累計600人を超しています)

また現在は役場内に婚活に関する相談スペースも開設され「結日」が婚活支援を行っています。(https://www.vill.asahi.nagano.jp/official/soshikikarasagasu/kikakuzaisei/kikakutanto/konkatsapooto/2633.html

写真:朝日村役場提供(役場内にある相談スペース)

『婚活×移住』の取り組みについて、良い点をお聞かせください

信時さん 県外の方が移住するときに、住む所と仕事を探すのが一番困るところだと思うので、婚活の相手を探して将来のお相手と住む所を確保できるのは良い制度だなと思います。
村の人からしても村の中で出会うというのは難しいそうなので、そういう「出会いのシステムがあるのはありがたい」という声もありました。
今は私が所属していた課の職員たちが引き継いで「移住婚」を担当しています。

『移住婚』で朝日村を選ばれる方はどのような理由でしたか?

信時さん 皆さん、自然があるけど、ちょっと行けば松本市とかあるので交通の便が良いという声が多かったです。

写真:朝日村役場提供(キャンプ場)

移住前の暮らしと現在、大きく変わった点はありますでしょうか?

信時さん 人の密集度が全然違うので、仕事に行くにも東京では満員電車で大変でしたが、こちらはストレスないですし、自分の時間が増えたと思います。

生活コストについては、3DKの平家を4万円で借りているんですけど、敷地内に広い畑も付いていますし、都内に比べすごく安いなと思います。

朝日村の魅力、暮らしやすさなどをお聞かせください

信時さん 空気がおいしいし、自然がいっぱいある中で、少し車を走らせれば村外の塩尻(車で15分〜20分)、松本(車で30分ほど)に買い物とかに行ける点です。

写真:朝日村役場提供(光輪寺/武居城公園)

現在の住居はどのように探されましたか?

信時さん 協力隊の最初の年は役場で探していただいたアパート(活動費から家賃を払う)に住んでいたんですけど、協力隊の時から周りの方に「1軒家に住みたい」と言っていて、2年目には周りの方から「この人から物件を借りられるよ」と紹介していただき、今の平家に住んでいます。

物件を探す時のアドバイスなどはありますか?

信時さん 村内に不動産店はないですし、不動産情報誌にも物件はあまり載っていない地域なので、こっちに知り合いをつくるとか、役場に相談するのが一番早く見つかると思います。

空き家バンクについてはいかがですか?

朝日村役場•大竹さん 現在募集中は1、2軒です。物件集めは村の広報で周知したり、村から転出された空き家所有者の方々にご案内をしています。空き家自体は増えていますが、住めるか住めないかという問題もありますので。
https://www.vill.asahi.nagano.jp/official/soshikikarasagasu/kikakuzaisei/kikakutanto/5/367.html

空き家バンクに関する補助金もいくつかあります。所有者に対して交付される「空き家改修補助金」は、住宅の水回り、トイレやお風呂、給湯器など主に直っていないと住めないところに対して使えるもので、壁紙を新しく替えるとかには利用できません。上限は50万円の補助が出ます。補助率は10分の10なので40万円で工事が済めば40万円の補助が出ますし、60万円の工事費でしたらその内の50万円の補助になります。

また所有者に対して「空き家活用推進補助金」があります。入居契約が決まった物件にある荷物の片付け、処分するための費用も上限10万円まで出ます。

村内に不動産業者さんはいないんですけど、空き家バンク物件の契約時サポートや案内などで、これまで空き家バンク制度で実際に対応をいただいた経験のある、松本市や塩尻市の宅建業者さんをご案内するケースもあります。

また空き家バンク登録物件の賃貸契約が成立した際に、物件の仲介を行っている指定不動産業者さんへ支払う仲介手数料を対象に、限度額5万円までを「空き家バンク利用契約支援助成金」として助成します。

現在のお仕事について教えてください

信時さん 始めて4カ月ですが、「ときのぱん」というパン屋さんをやっています。
ずっと人と関わる仕事をしてきて、任期後もそういう仕事をしたいと思っていました。なおかつ、朝日村にパン屋さんがなく、私もパンが好きなので。これまで趣味とかでパン作りはやっていなくて、協力隊の時から婚活サポートと平行して2年目からパン屋さんに研修に行かせてもらいました。

作る勉強をしてみて、やってみたいなという気持ちが湧き、自宅の敷地内にコンテナハウスを建てて、その中で製造と販売をしています。

写真:信時さん提供(自宅の敷地内でパンを製造•販売する信時さん/左)

また毎週木曜日、昼休みに自分の車にパンを積んで役場に来て販売もしています。

写真:朝日村役場提供(役場でパンの出張販売をする信時さん)

いずれは自宅兼店舗でやるのが夢なので、そこを目指してやっていきたいなと思います。日常的に食べてもらえる、食べやすいパンを作っていきたいです。

写真:信時さん提供(ときのぱん)

お客さんの感想はいかがですか?

信時さん ご近所さんも歩いて買いに来てくれたり、お子さんも食べてくれたり、年配の方も食べてくれたりします。玄米粉を使ったりしてやわらかいパンなので皆さん「食べやすい」と言っていただいています。

開業時に役場の移住サポートはありましたか?

信時さん 協力隊の3年目の時に起業支援金が100万円(全国一律)出るので、それを使ってコンテナを買ったり、準備の費用に充てさせていただきました。

移住後、知り合いをつくるためのアドバイスはありますでしょうか?

信時さん 村の中に結構コミュニティーがあって、私はみそ造りの体験とか村の方たちが集まって料理を作る会があるんですけど、参加して皆さんと仲良くなれたのでそういうのはお勧めです。情報は、まとめているのが役場の方なので役場に行けば分かると思います。

最後に、朝日村の暮らしについて教えてください

朝日村役場•大竹さん 朝日村は山に囲まれていますが、そうじゃない平らなところにも集落がありますので、山あいの集落というところとは少し違うと思います。

写真:朝日村役場提供(朝日村役場前から松本市、塩尻市方面を望む)

ここだけが生活圏域で、仕事も買い物も全部できるという場所ではなくて、たまたま住所は朝日村にあるけれど、仕事は塩尻市に行ったり、買い物は松本市に行ったりという生活スタイルもあります。

村内で車を15分〜20分走らせれば家族で楽しめるショッピングセンターがあり、そこには洋服から生活雑貨、食料品、家電などがそろい、映画館も入っています。

また大型スーパーは、一番地近い所は隣の山形村にありまして、役場からだと5〜10分くらいです。そこには100円均一ショップやホームセンターも入っています。塩尻市も近いので5店舗くらいのスーパーにも行けるんですよね。

仕事にしても朝日村内には農家が3割くらいで、それ以外の7割りは村外に勤めに行っています。

診療所は内科医が1軒、歯科医が2軒あります。総合病院も松本平には複数あります。

松本や塩尻の市街地に移住して駅の近くに住んで、公共交通だけで生活している方もいらっしゃると思うんですけど、長野県のほとんどの地域は自家用車が必須だと思いますので、そう考えると松本、塩尻、安曇野、その辺りが朝日村の生活圏と捉えています。
ですので、初心者向けの田舎というようなところだと思います。

写真:朝日村役場提供(奥には村のシンボル的な鉢盛山、手前は特産品の高原野菜のハクサイ、キャベツ畑)

■ ときのぱん
https://3onv5.crayonsite.info


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